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ブトルファノール

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本薬剤は主に鎮静と軽度の鎮痛を目的に術前で使用される。また気管虚脱などの鎮咳薬として使用される。

  • 合成の非麻薬性鎮痛薬
  • オピオイド受容体に対して非常に高い親和性を示し、μ拮抗性κ作動性を持つ
  • 作用時間は比較的短く1~4時間
  • 抗がん剤のシスプラチン療法の際に、嘔吐の抑制のために用いられる→α2‐作動薬により併発する嘔吐も抑制することができる。
  • 優れた鎮咳作用がある
    • 鎮咳薬として使用する場合非感染性の呼吸器疾患で使うこと!
  • オピオイド作動‐拮抗薬(非麻薬性オピオイド)である

薬品名

ブトルファノール

商品名

  • 医薬品コード
  • 識別コード
    • 会社コード
    • 製品コード

適応

  • 麻酔前投薬

薬の作用機序

薬用量

動物種 薬用量 注意項目
(鎮痛)0.2-0.4mg/kg 鎮咳で使用する場合 下にまとめてあるので参照
0.2-0.4mg/kg ケタミンと併用可能
mg/kg
mg/kg
mg/kg
羊・ヤギ mg/kg
うさぎ 0.1-1.0mg/kg
フェレット mg/kg
0.1-0.5mg/kg IM キシラジン(1-2.75mg/kg)と併用する
爬虫類 mg/kg
両生類 mg/kg
フクロモモンガ 0.1-0.5mg/kg 鎮痛作用 SCとIMどちらでも可能
ハリネズミ mg/kg
齧歯類 mg/kg
ミニブタ mg/kg
野生動物 mg/kg
無脊椎動物 mg/kg
魚類 mg/kg
mg/kg
  • 動物種ごと
    • 各動物種の補足事項

注意事項・副作用

  • 動物種ごとに分けずに記載
  • 特定の動物種や品種におこる事象はその種類を( )で記載

毒性

代謝

その他

鎮咳薬の作り方

  • 鎮咳で使用する場合 0.05-2mg/kg BID-QID POで使用する
  • プロピレングリコールで2倍希釈して使用する。(北野はシロップやジュースに混ぜて投与しているが一応効いているのを確認している)
  • コデインの100倍、モルヒネの4倍の鎮咳効果がある
  • 基本的に頓服で指示をだす(習慣性があるため)
  • 一日二回までを限度にする

臨床で使われるオピオイド


一般名 


製品名(メーカー) 

力価* 

作用時間 

モルヒネ


1倍(中程度)

短時間

フェンタニル経皮用

デュラジェシック ®(ヤンセン)

高(75 ~ 100倍)

長時間

ブプレノルフィン

ブプレネックス ®(ロキット・コールマン) 

高(30倍)

中等度

ブトルファノール

トルブジェシック ®・トルブトロール ®

(フォートダッジ)

高(5倍)

短時間

オキシモルフォン

ヌモルフォン ®(エンド) 

高(10倍)

短時間

メペリジン

デメロール ®(ウインスロップーブレオン)

低(0.125倍)

短時間

ハイドロモルフォン

ダイラウディド ®(アボット) 

高(5-8倍)

短時間