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LHサージ
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- LHサージ(えるえいちさーじ、LH surge)
- 黄体形成ホルモン(LH)が一過性に放出される現象。LHサージは排卵直前の大きさのグラーフ卵胞の卵母細胞の成熟分裂を再開させ、排卵を引き起こす。
- GnRHのパルス状分泌に対応してLHのパルス状分泌が起こる。
- 卵胞発育と性ステロイドの合成が促進→血中エストロジェン濃度が上昇
- 高濃度のエストロジェンがLHサージを誘起
- LHサージにより排卵が誘起
LHサージ後どれくらいで排卵するか
- ウシでは25-30時間
- ブタでは40時間
- ヒツジでは26時間
- ラット、マウスでは10-12時間
で排卵する。
交尾排卵動物であるネコでは、交尾刺激によりLHサージが起こり、LHサージ後
- 猫は24-30時間
で排卵が起こる。性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)およびエストロゲンの正のフィードバック作用によりLHサージは引き起こされる。GnRHは下垂体前葉に作用してLHおよび卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を促進する。LHとFSHは共同して胞状卵胞を成熟させ、卵胞上皮細胞におけるエストロゲンの合成、分泌を促進する。エストロゲンは視床下部におけるGnRHの分泌を促進するとともにGnRHに対する下垂体の感受性を高める。