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猫汎白血球減少症

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ウイルス病:犬・猫

  • 猫ジステンパー=猫ウイルス性腸炎=猫パルボウイルス感染症=猫汎白血球減少症(feline panleucopenia)ウイルス
  • かつては猫ジステンパーと呼ばれていた。致死率が高く激しい嘔吐と下痢がおこるが「必発ではない」&「なんとなく元気がない」で来院するケース→気付いた頃には病院に拡散済み。
  • なおワクチン接種を2回している個体に関してはほぼ100%防ぐ事ができ、なおかつ長期間機能する(しかしアメリカでは1年しか免疫の有効性が認められていない。)
  • 猫パルボウイルスは猫の突然死を引き起こし、環境に強力に残存するため小動物病院では管理に十分注意する。
  • 猫汎白血球減少症(猫パルボ)はWBC3000以下の時CPVチェッカーを用いて検出する。ちなみに検査感度100%ではないので過信しない。


病名

原因

伝播・疫学

症状(臨床・病理)

診断・類症鑑別

予防・治療

重要事項

その他メモ

和名:

猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)

和名:

猫汎白血球減少症ウイルス

感染様式:

糞便中に大量のウイルス→経口感染

咽頭リンパ節→全身→細胞分裂の活発な組織(腸陰窩、リンパ組織、骨髄)

糞便中ウイルスの直接感染ないしは汚染器物を介した感染

臨床:

白血球減少(好中球)と下痢

二峰性発熱

嘔吐

脱水など。

腸内細菌の二次増殖で腸炎

妊娠猫の場合は死流産。

生後2週齢くらいまでの場合は小脳形成不全。

診断:

ウイルス分離(糞便):猫の培養細胞(CRFK)

HA(豚血球)

予防:

不活化(妊娠猫に!)

または

弱毒生ワクチン

急性経過の発熱

嘔吐

下痢

総白血球数の減少を主徴とする疾病

潜伏期:4~6日

世界:

世界に広く分布

幼若猫:

死亡率が90%

日本:

あり

胎盤感染:

死流産

小脳形成不全(妊娠末期~生後二週間)

血清学的診断:

ペア血清によるHI反応

中和テスト

回復期血清中のIgM抗体の証明

英名:

feline panleukopenia(FPL)

英名:

Parvoviridae

Parvovirinae

Parvovirus(犬パルボと同じ)

FPV(Feline Parvo virus)

CPV

MVE

APV

の4亜種。

猫汎白血球減少症ウイルスはFPLVと記す。

宿主:

ほぼすべての猫科動物

病理:

空腸・回腸の出血性腸炎。小腸漿膜下や粘膜面の充・出血

腸間膜リンパ節の腫大と出血

胸腺萎縮。

小腸粘膜

リンパ系組織

骨髄の変性壊死と核内封入体形成。

類症鑑別:

トキソプラズマ症→白血球減少が共通するが、好中球増加と呼吸器症状を伴う。

治療:

対症療法(輸液と抗生物質投与)

G-CSFの投与

発生場所の消毒



タミフルについて暫定的まとめ

管理人個人の意見として→猫パルボにタミフルは効くのか?→個人的にあまり効いてるイメージありません。犬には聞いてる実感ありますが・・・。またフェレットに使用することもあるようです、私は経験ありませんのでなにか情報おもちの方はfacebookまでご連絡ください。 それでも使用する場合は「2.2 mg/kg BID 5days」

インターフェロン療法

  • インターキャットも参考にしてください。
  • FIV,FeLV活性化してたら下の内容ちょっと変わります(悪い意味で)。

予防的使用

1MU/head SC 3日連続 高濃度暴露してたら発症するが結構ブロックできる

軽度

1MU/head SC3日連続 結構良い反応

中程度

3MU/head IV 3日連続(まあまあ効く!)

重症(この子・・・死ぬかもレベル)

3MU/head IV 3日連続

  • 重症例になるとあまり効かない(50%くらい)。悪化する前に打とう!

環境コントロールについて

  • ビルコンで消毒の徹底。多少ウイルスいようが数さえ減らして入院している子はワクチン打ってれば大丈夫!打ってない子はインターキャット療法。
  • ステロイドをつかっている子や免疫不全の子には注意してください。