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牛ロタウイルス病
提供: 獣医志Wiki
病名 |
原因 |
伝播・疫学 |
症状(臨床・病理) |
診断・類症鑑別 |
予防・治療 |
重要事項 |
その他メモ |
和名: 牛ロタウイルス病 |
和名: 牛ロタウイルス(Reoviridae,Rotavirus) 牛ではA,B,C群が報告され,A群の検出頻度が最も高い。 |
感染様式: 下痢便中に排泄されたウイルスが経口感染で伝播 |
臨床: |
診断: 糞便材料中のウイルスを電子顕微鏡で観察,あるいはウイルス抗原をELISAやラテックス凝集反応で検出(人のA群ロタウイルス検出用キットの利用が可能)。RT-PCRによる遺伝子診断。 A群ロタウイルスではMA104細胞によるウイルス分離。 小腸病変部のウイルス抗原を免疫染色で検出。 |
予防: 母牛を不活化ワクチンで免疫し,乳汁免疫で予防。初乳の連続給与。 |
1.新生子牛の水様性下痢と脱水 2.A群ロタウイルスが臨床的に最も重要 3.不活化ワクチンで母牛を免疫し,乳汁免疫で防御 |
潜伏期:12~36時間 予後:発病率は高く,死亡率は0~50%。 |
世界: 世界各地 |
急性: |
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日本: 全国各地 |
慢性: |
血清学的診断: 発病子牛のペア血清を用いた診断は移行抗体の影響で困難。 |
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英名: bovine rotavirus infection |
英名: Reoviridae,Rotavirus |
宿主: |
病理: 肉眼所見:小腸壁の菲薄化。 組織所見:小腸の絨毛上部における粘膜上皮細胞の壊死・脱落,絨毛の萎縮。 |
類症鑑別: 牛コロナウイルス病,子牛の大腸菌性下痢,牛のクリプトスポリジウム症 |
治療: 対症療法として補液療法(脱水とアシドーシスを改善)。二次感染予防に抗生物質の投与。 |