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SBGスルファ基礎培地

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サルモネラ増菌培地

  • SBGスルファ基礎培地(Selenite Brilliant Green Broth Base) [#j3c8955e]

サルモネラ増菌用

    • 詳細 [#pd1357a9]

とくに卵および卵製品からのSalmonella検索に適する。セレナイト培地が大腸菌(Escherichia coli)に対して強い抑制力をもち,Salmonellaの増殖を阻止しないことから,Salmonella増菌培地として広く常用されている。しかし、Proteus, Enterobacterなどに対しても発育抑制力が乏しいために,これらの菌の増殖によってSalmonellaの検出が妨げられることがしばしばある。この点からセレナイト培地にさらにブリリアントグリーンおよび胆汁酸塩(タウロコール酸ナトリウム)を加えてその選択性を強化し,スルファピリジンを加えて卵黄または全卵のもつ亜セレン酸ナトリウムおよびブリリアントグリーン中和作用を除去できる。SBGスルファ培地はこのような見地から考え出されたものである。 セレナイト培地と比較すればわかるように,本培地はセレナイト培地の組成に加えて,栄養源として酵母エキスおよびマンニットが,また,Salmonella以外の菌に対する抑制物質としてタウロコール酸ナトリウム,ブリリアントグリーンおよびスルファピリジンが添加されている。これらのうち,とくにブリリアントグリーンのSalmonella以外の菌に対する選択作用はきわめて強く,他の抑制物質とあいまって,セレナイト培地では発育を阻害されないProteus, Klebsiella,一部の大腸菌などの増殖を強く抑制する。さらにスルファピリジンは前述のように卵黄および全卵による亜セレン酸塩およびブリリアントグリーンの選択力の無効化を防止し,本培地の20%に卵成分をいれても十分Salmonellaの選択的増菌効果を保持する。なお,マンニットはSalmonellaにはエネルギー源として利用されるが,Proteusには利用されないのでこれに対する発育促進因子とはならず,また,Salmonellaおよび大腸菌がマンニットを分解して生ずる酸は,培地のアルカリ化により亜セレン酸塩の選択力が失われることを防いでいる。 本培地にはチフス菌(S.Typhi),パラチフスA菌(S.Paratyphi A),ヒナ白痢菌(S.Gallinarum),ウマ流産菌(S.Abortusequi)など,人獣のチフス症に関係のあるSalmonellaは発育しないから,これらの菌の検索には用いられない。

    • 組成(精製水1リットルあたり) [#k4f246f6]

-酵母エキス         5 g -ペプトン          5 g -マンニット         5 g -タウロコール酸ナトリウム  1 g -リン酸2カリウム      2.45 g -リン酸1カリウム      1.05 g -スルファピリジンナトリウム 0.5 g -ブリリアントグリーン    0.005 g -pH7.2±0.2 -亜セレン酸ナトリウム4gを添加して使用する。