クリエイティブ・コモンズ・ライセンス北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

駆虫薬・殺虫剤:駆虫薬

提供: 獣医志Wiki
2015年5月25日 (月) 14:35時点におけるGeshtalt (トーク | 投稿記録)による版

(差分) ←前の版 | 最新版 (差分) | 次の版→ (差分)
移動: 案内検索
  • (1) 消化管線虫 [#b526238b]
チアベンダゾール(thiabendazole,TBZ) |線虫の体表から吸収され、寄生虫の嫌気的エネルギー産生機構においてエネルギー供給を断って虫体を死滅させる。&br;円虫目の線虫には有効性が高い。&br; (ウシ、ヒツジの胃虫類、鉤虫類、糞線虫、ウマの円虫類と蟯虫の成虫、ブタの毛様線虫、腸結節虫に有効。イヌ、ネコでは利用されない)
レバミゾール(levamizole)|消化管線虫類と肺虫に有効性が高い。&br;反芻獣とブタの鞭虫を除く消化管線虫(胃虫、鉤虫、回虫、糞線虫、腸結節虫)と肺虫の成虫、これらの第3~4子子虫と成熟虫、イヌの回虫、鉤虫、ウマの回虫、蟯虫、肺虫、ニワトリの回虫、糞線虫、開嘴虫に有効性が高い。
  • (2) 犬糸状虫駆虫薬 [#pee442c1]
イベルメクチン(ivermectin)|子虫(第3~5期)の殺減効果あり。副作用として、アレルギー反応発現の報告もある。&br; ミルベマイシン
  • (3) 条虫駆虫薬 [#f60e4a30]
プラジクァニテル(ニクロサミド)|合成有機化合物でイヌ、ネコにおいては条虫や包虫に効力を示す。
  • (4) 肝蛭駆虫薬 [#z71a5f00]
ビチオノール(bithiomole)|塩素を含んだフェノール系消毒薬。反芻獣の肝蛭、双口吸虫のほか、多くの動物の条虫類にも有効である。
  • (5) 原虫類 [#m155838a]

-a. コクシジウム薬 --モネンシン(monensin) ---ポリエーテル系イオノフォア抗生物質。薬剤耐性が見られる。 --ラサロシド(losalocid) ---いずれも飼料添加物に指定されている。 -b. 抗トキソプラズマ薬 --サルファ剤がi.m又は混飼投与の形で用いられる。トキソプラズマの発育環の増殖型にのみ有効。 -c. 抗ピロプラズマ薬 --ジミナゼン(diminazene) ---抗バベシア薬。ジアミン類の代表薬。ウシの大型ピロプラズマとイヌのB.gibsoniに有効性が高い。トリパノゾーマ原虫にも効果あり。s.c、i.vを繰り返すと、イヌで神経症状、出血、中枢神経障害、ウシでは肝臓、腎臓、心臓に重度の脂肪変性。