クリエイティブ・コモンズ・ライセンス北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

顆粒膜細胞腫

提供: 獣医志Wiki
移動: 案内検索

顆粒膜細胞腫

  • 牛、馬で最も一般的な卵巣腫瘍で全ての年齢で発生し、通常は片側性。
  • エストロジェン産生や、直径10cm以上の嚢腫様構造物が認められる。
  • ホルモン産生されまくって発情徴候を示す

症状

性欲が亢進して思牡狂になるものと、無発情になる。卵巣における周期的な排卵活動は停止する。血中エストロジェン濃度は嚢腫化に一致して増加し、嚢腫卵胞の萎縮退行とともに減少する。

診断・治療

  • 直腸検査、超音波検査により嚢腫卵胞の存在を確認する。牛では排卵が起こらないために黄体は存在しない。
  • 超音波検査やプロジェステロン濃度測定は黄体化の有無および程度を知り、卵胞嚢腫と黄体嚢腫または嚢腫様黄体を鑑別するのに有用。
  • 卵胞嚢腫には黄体形成または黄体化を促進する目的でhCG、GnRH、下垂体前葉性性腺刺激ホルモン剤、プロジェステロン剤が用いられる。
  • 黄体嚢腫の治療にはPGF2αの投与が行われる。

病理所見・性索間質細胞腫瘍

被包された良性顆粒膜細胞膜と悪性で腹腔播種にするものがあるが、臓器実質への浸潤や遠隔転移は少ない。内分泌活性を示すことが多い。

ちなみに卵巣嚢腫

  • 卵胞 が排卵することなく異常に大きくなる状態を卵巣嚢腫とう
  • 病態によって卵胞嚢腫と黄体嚢腫に区分される 。