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脂質代謝
提供: 獣医志Wiki
脂質の構造と機能
名称 | 結合 | 炭素数と融点 | 種類 |
---|---|---|---|
飽和脂肪酸 | 二重結合なし | 炭素数(C)あがると融点、沸点あがる。 C10 以上のものは常温固体。 | C2酢酸C6カプロン酸(ここからC6以上で水に溶けにくくなる)C16 パルミチン酸 C18 ステアリン酸 |
不飽和脂肪酸 | 二重結合あり | 融点は著しく低い(溶けやすい)。常温固体。 | C18 オレイン酸 C18 リノール酸 |
- 酢酸みたいにCが少ないヤツは低級脂肪酸
- ビタミンE:抗酸化作用、、、はよく聞くが実際は脂質代謝で見る機会が多い。野良猫の避妊手術をしているときやけに黄色い腹腔の脂肪を見たことがないだろうか?あれは魚肉を多く摂取しなんらかの現認でVitEが少なくなりすぎて脂肪が黄色化している事がおおい。黄疸かもと疑いたくなるが強膜や可視粘膜は正常なら飼料管理が原因であるかもしれません。VitEが少なくなると不飽和脂肪酸の過酸化反応が亢進します。→詳しくは黄色脂肪症
- 必須脂肪酸
- 不飽和脂肪酸のうち(C18 のリノール酸 , リノレイン酸 , C20 のアラキドン酸)。これら脂肪酸どうしの変換は多くの動物が可能だが、外部から摂取しなくてはならない。皮膚病や凝固系にも影響を与えている。薬理学でプロスタグランジンの理解に非常に重要(アラキドン酸カスケードにも関わってくる)
- 不揮発性脂肪酸(VFA)
- ルーメン内で合成される発酵産物。牛のルーメンでは酢酸C2>プロピオン酸C3>酪酸C4の順に多く、このバランス派ルーメンの発酵環境に重要である(pH的な意味で)。プロピオン酸は糖新生で重要。