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肥大型心筋症
提供: 獣医志Wiki
肥大型心筋症(Hypertrophic cardiomyopathy:HCM)
- 猫に多い→猫の肥大型心筋症というタイトルで書いている教科書が多いが臨床上先入観すてるために本タイトルとなっています
- 猫の拡張型心筋症はタウリン の欠乏の改善で今は減少している
- 犬ではあまり起こらない(でも診断できるように)
- 年齢差あまりない
ER対策
猫の大動脈血栓塞栓症を参照→拘束型も
病因・病態生理
心室の硬化促進・弛緩異常によって拡張不全を招く 胸水(変性性漏出液が主であるが、乳びもある)が溜まる
疫学
臨床症状
- 重症の呼吸器症状や血栓塞栓症を呈する
- 聴診での第 4 音(S4)が聴取されることもある 股動脈の拍動は通常強く触知される
- 原因は不明。両心房が 拡張するが、特に拡張が著しい左心房内で血液の停留が生じることにより血栓が形成される。これ が左心房から駆出されると大動脈血栓塞栓症を引き起こす。
- 左心不全が優位だが、重度では両心不全も呈する。
- 大動脈血栓塞栓症により後駆の冷感・麻庫、股動脈消失。肉球の色も経時的に観察する。
診断
聴診:僧帽弁逆流による全収縮期雑音および第三、四音が聴取されることも。
尿検査
血液検査
7歳以上で甲状腺ホルモンをチェックしておく
画像検査
エックス線
- VD像で左心室および左心房の拡大(バレンタインハート)がみられることもある。
- 肺水腫。
- USG一心室壁の肥大を確認。
エコー
大動脈狭窄同様に左房内圧上昇を伴わない左室肥大→A波の増高 左房拡大(左室長軸像と心基部短軸像で確認) 左室内腔の狭小化(分厚くなるから) 左室肥大(名前通りですね)
CT・MRI
治療
- 前述の心不全の治療に加え β遮断薬による頻脈の抑制。
- 血栓予防にアスピリン、ワルファリンの投与。血栓溶解はあまり期待できない。→アルテプラーゼとか参照
- 心室充満の改善・心室充満の改善・うっ血の改善・不整脈の制御・虚血を抑え血栓塞栓症を防ぐ
- 左房の拡大があればACEiを投与
- ジルチアゼム(Ca 流入遮断薬)・β遮断薬→長期的な経口投与療法の主流
- Hアテノロール・β遮断薬→頻拍性不整脈や収縮期流出路障害・心筋梗塞、心筋酸素要求量を軽減する目的