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猫の大動脈血栓塞栓症
提供: 獣医志Wiki
- 心筋症(DCM,HCM,RCM)に伴う心臓の壁性血栓が腸骨動脈枝に騎乗するため生じ、後肢の冷感と麻痩、大腿動脈脈拍の欠知が認められる。発現機序はわかっていないことが多い。
- しかし実際は腸間膜動脈、冠動脈、大脳動脈、(上腕動脈)などにもつまる
- 腎動脈に血栓がある場合は急性腎不全を起こす。K,Caチェック
- 疼痛が非常に強い。
ER対策
- 後足のパッド触って体温確認と股動脈を両側チェック
- 留置ライン確保しICUで酸素化。
- 酸素化しても痛みで開口してるかもしれないのでブプレノルフィンSC。痛み収まるまで一時間以上かかる
病因・病態生理
- 自己免疫疾患や心内膜炎、左心房の血流が停滞し血栓が形成するなどの原因で血栓が腸骨動脈につまり発症
疫学
- 雄におおい(確かに)
- アビシニアン、ラグドールなどの特定品種があげられているが日本国内でどうか?(雑種個人的に多いと思います)
- 後枝まひはたいてい両側でみる(体感)
- 治療中に50%が死亡してしまう
- 予後はわるい。治療期間中に死亡することもあるし、仮に立てるようになっても心疾患で死亡したりする。(生存後の死亡率が高い)→心疾患の評価をしていく必要がある。
- 肢は壊死して腐っていくことがある。
臨床症状
- 股動脈拍が弱いか触知できず冷たい。
- パットのチアノーゼ(赤紫→紫→真っ白か薄ピンク色)
- 肢が動かないだけなら椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、外傷、糖尿病性ニュー ロパシー、重症筋無力症などないかチェック
診断
- 肥大型心筋症等を参照
尿検査
血液検査
画像検査
エックス線
エコー
CT・MRI
治療
- アルテプラーゼを参照
- 下の表はInfovetsより(後日引用元記載)
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薬剤 |
用量 |
捕捉 |
疼痛管理 |
ブトルファノール |
0.2-0.4mg/kg 2-4hrごと(SC/IM) |
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ブプレノルフィン |
5-20μg/kg 6-8hrごと(SC/IM) |
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フェンタニル |
3-5μg/kg slowly IV |
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うっ血性心不全 |
フロセミド |
o.5-2mg/kgTID(IV/SC) |
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ドブタミン |
1-5 μg/kg/hr(CRI) |
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ピモベンダン |
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抗凝固剤 |
ダルテパリン |
100U/kg SID-BID SC |
汎用性があるので在庫置くならこれがいいか |
抗血小板薬 |
アスピリン |
5-75mg/kg 3日ごと PO |
消火器症状が起こるので低用量から使う |
クロピドグレル |
1-3mg/kg SID PO |
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血栓溶解剤 |
アルテプラーゼ |
当サイト「アルテプラーゼ参照」 |
3hr以内に使用する。再開通時の症状発現に注意する |
高カルシウム血症対策 |
グルコン酸カルシウム |
5-10mL/kgを10倍希釈 |
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生理食塩水 |
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インスリン |
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代謝性アシドーシス対策 |
重炭酸ナトリウム |
1-2 mEq/kg slow IV |
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