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牛流行熱

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病名

原因

伝播・疫学

症状(臨床・病理)

診断・類症鑑別

予防・治療

重要事項

その他メモ

和名:

牛流行熱

和名:

牛流行熱ウイルス

感染様式:

ヌカカなどの吸血昆虫媒介,風伝播

臨床:

・一過性の発熱,

・呼吸速迫,

・食欲の減少,

流涙・泡沫性流涎,

・肺胞破裂や肺葉断裂による皮下気腫, 

・関節痛

(関節に浮腫、よって疼痛により→起立不能,跛行),

・泌乳の停止,

・反芻停止,

・皮筋の震戦(ふるえ)。

診断:

洗浄血球液を乳のみマウス,同ハムスターの脳内に接種,

あるいはBHK21細胞またはHmLu?-1細胞に接種してウイルスを分離。

RT-PCRによる遺伝子診断。

予防:

流行期前までに生ワクチンで基礎免疫。

不活化ワクチンで免疫増強(LK方式)。

1.ヌカカなどの吸血昆虫媒介

2.一過性の発熱,呼吸促迫,関節の浮腫・疼痛,間質性肺気腫

3.ワクチンで予防

潜伏期:3~8日

予後:3~4日の経過で予後は一般に良性。

急性経過で死亡した例は急性肺気腫による窒息死。

経済的損失が大きい

世界:

熱帯,亜熱帯および温帯地方の一部

アフリカ、

中近東、

アジア、

オーストラリアなど

日本:

あり(関東以西→新潟・福島などの北緯38度以南),夏から秋に発生

血清学的診断:

CF反応,中和テスト→抗体検出

英名:

bovine ephemeral fever

英名:

Rhabdoviridae

Ephemerovirus

宿主:

牛,水牛

病理:

・上部気道粘膜の充血・浮腫, 

・肺の退縮不全, 

・巣状カタル性肺炎,

・間質性肺気腫。

・全身リンパ節の腫脹・充血・浮腫。

・関節の腫大と関節液の増量,関節炎。

類症鑑別:

・牛ウイルス性下痢・粘膜病,

・クラミジア病,

・イバラキ病,

・パラインフルエンザ,

・牛RSウイルス病

治療:

対症療法で消炎剤の投与や補液。

起立不能牛には褥瘡と二次感染の防止処置。