クリエイティブ・コモンズ・ライセンス北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

涙染色症候群

提供: 獣医志Wiki
移動: 案内検索
涙染色症候群
流涙症や涙やけなど名称様々。

ER対策

特になし。犬種によっては流涙症が角膜疾患の前兆を示している場合があり、角膜の観察をよくしておき、注意すべき場合は注意喚起を行う。→短頭種など

病因・病態生理

  • 涙液の分泌過多、もしくは涙道の排泄異常により内眼角が涙で濡れて色素沈着を起す。
  • 流涙症の定義としては涙が多く出る事が前提としてあるが、必ずしも涙道の異常とは限らず、分泌が亢進している、もしくは犬種特有の内眼角の問題を抱えている事もあるため診断を間違わないように注意する。
  • (例をあげるとパグなどは鼻壁を形成するため下眼瞼内側が内反する素因があるため内反した毛と眼球が触れて涙染色症候群を呈しているケース)

疫学

特になし。マルチーズが多い気がするが実際は目立たないカラーの犬でも起こっているので正確な統計がだせないと思います。

臨床症状

基本的になし。涙が流れている解剖学的な原因や状況によって二次的な病態へシフトすることがあるので検査を奨める。

診断

  • 綿糸法、シルマーティアテストで涙の量を測る(インプットのチェック)
  • フルオロセイン染色で角膜に異常がないかチェックする(アウトプットのチェックができる)
    • フローセンで鼻涙管が開通しているなら1分以内に染色液が鼻から確認できる
  • BUT検査(涙液層破砕時間)→フローセンをつけた後に乾燥するまで10秒以上かかるかのテスト。ドライアイのテストでもある。

  • 涙点の位置や内眼角の内反がないかチェック

塗抹検査

好中球がでていないかチェックする

治療

外科

適応の場合実施

  • 涙点移動術
  • 内反の形成