クリエイティブ・コモンズ・ライセンス北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

伝染病学総論:細菌の染色

提供: 獣医志Wiki
移動: 案内検索

染色法を参考 伝染病学総論 光学顕微鏡によって細菌を観察する場合は、その目的に従って細菌を適当な方法で染色する。

普通染色(単染色)

一種類の染色液を用いる。細菌細胞が電荷を持たないときのpHが酸性側にあるため、塩基性色素を用いる。

グラム染色

細菌同定上重要な指標となる染色法ですべての菌を大きく、グラム陽性と陰性に分ける。


  • フッカーの変法


固定標本をクリスタル紫、ハッカー液などで染色。(30秒?1分)水洗。

ルゴール液(ヨードヨウ化カリウム液)で処理。(1分)
水洗、乾燥。

純アルコールで脱色処理、水洗。グラム陰性菌は脱色。(1分)

サフラニン液か薄いフクシン液(大学の実習ではファイファー液を使用)で対比染色。(1分)

  1. 抗酸染色:Mycobacterium属の菌(抗酸菌)は強い色素で加熱染色したのちに、酸性アルコールで脱色処理しても脱色されない。抗酸菌は薄青い背景に赤く染まる。
  • ティールニールセン(ziehl-neelsen)の法


濃厚な石炭酸フクシン液で加温染色(3~5分)。水洗、乾燥

  1. 3%塩酸アルコールで脱色処理


Lofferのメチレンブルー液を水で4?5倍に希釈した液で染色(3O砂)

その他の特殊染色

芽胞染色(Moller法)、莢膜染色(Hiss法)、鞭毛染色、免疫蛍光染色法。

生体染色

:細菌の染色に用いる色素はふつう毒性が強く、かつ生菌ではこれらの色素に対する染色性が弱い。従って、細菌を染色して形態を観察する場合には通常死菌が取り扱われる。しかし、生菌だけを染色する方法があり、それにはTTC(2,3,5,-triphenyltetrazolium chloride)が最も多く用いられる。TTCは生菌細胞内で還元されて、菌は赤く染まる。