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伝染病学総論:修飾と突然変異

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核酸の構成と機能

  1. 構成成分:糖・プリン化合物・ビリミジン化合物・リン酸。
  2. 機能:RNAはDNAの指令を受け、タンパク合成に直接関与する。
    • 運搬RNA:アミノ酸をリボゾームに運び、伝令RNAはリボゾームにおけるタンパク合成を行う。
  3. IS要素:自身で複製できない遺伝子のうち、転移酵素産生遺伝子を持つ小型のもの。
  4. トランスポゾン:上記の遺伝子に加えて、抗生物質耐性、エンテロトキシン産生などの遺伝子も存在する、やや大型のもの。
  5. オベロン:細菌の構造遺伝子の調節単位。

修飾

同一の遺伝子型の菌でも環境条件の違いで、ある限度内で一時的に起こる表現型の変異非遺伝子的で元に戻ることができる)。cf)フェノール加培地では鞭毛を失うが、不加培地で再び鞭毛が発育。 >酵素適応・・・培地の構造の変化により酵素産生が左右される。

突然変異

遺伝子の偶発的な永久的、不可逆的変異による表現型質の変異は、子孫へ伝わる遺伝的変異となる。

  1. DNAの変異(プリン.ピリジンの配列異常)。
  2. 環境因子と無関係に常に一定の突然変異率で起こる。証明→レプリカ法、彷徨(ほうこう)テスト
  3. 環境による突然変異菌の選択的増殖
    1. 培地成分中に変異菌に有利な栄養素があるとき。
    2. 培地中に致死菌発育物質があるとき(耐性菌の選択的増殖)。
    3. 動物体の通過(病原性の強い菌が選択できる)。
    4. 自然界と異なった人工培地での保存、培養、病原性低下など。
  4. 突然変異誘発因子


X線、アクリフラビン、カフェイン、ニトロフラン、亜硝酸、UV、H2、O2、ホルムアルデヒド etc.