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ワラビ中毒
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ワラビ中毒
牛のワラビ中毒
- 原因
- 放牧牛で持続的にワラビを採食して起こる。
- 毒成分、再生不良性貧血因子によって造血臓器、特に骨髄機能が障害 → 再生不良性貧血。
- 毒成分、&color(red){プタキロサイト};による腫瘍性血尿症
- 季節的には8?10月に多発し、若齢の牛ほど発病率が高い
- 症状
- 血尿
- 発熱(40℃以上の高熱が稽留)
- 出血(可視粘膜の出血斑点、鼻出血、粘血便、皮膚出血、血液凝固不全が主徴)→可視粘膜の蒼白
- 血液
- 造血機能低下
- 血液凝固不全
- 血小板数・白血球数・赤血球数およびHb値の低下、血漿フィブリノーゲンの末期の著増。
- 血液凝固時間の延長と血餅退縮能の低下、循環抗凝血素(ヘパリンなど)の増加。
- 診断
- 放牧牛の可視粘膜に点状出血および浮腫が認められた場合に本症を疑う
- 治療
- 抗生物質の投与(二次感染防止)、全血輸血、止血剤投与、造血剤投与
馬のワラビ中毒(別名:腰ふら病)
- 原因
- 放牧地において晩秋の頃、残存するワラビの枯葉を馬が持続的に採食。
- ワラビに含まれる&color(red){アイノリナーゼ(チアミナーゼ)};によって体内のビタミンB1欠乏に陥る。→末梢神経の多発性神経炎
- 症状
- act(*)
- 一般状態:可視粘膜やや紅潮、食欲は末期まで異常なく、採食中狂的捕食をすることあり。尿は少量で甚だしく粘稠、白濁、糖尿
- 運動障害:
- 初期:軽度の歩様強拘
- 中期:歩行させると十字部跛行、蹉跌しやすく小障害物でも越えることが困難
- 末期:横臥し、起立不能となる
- 知覚障害:中期においては皮膚の知覚が鋭敏となり、頚部諸筋および背腹部諸筋は著しい圧痛を感じる
- 間代性痙攣
- 後弓反張
- 血液性状
- ビリルビン↑
- 治療
- ビタミンB1の投与