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メトロニダゾール
 
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*肝性脳症
 
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**ラクツロースを併用推奨
 
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== 薬の作用機序 ==
 
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微生物内でニトロ還元酵素系の反応により還元され ニトロソ化合物 (R-NO)に変化し、 このR-NO が殺菌作用を示す。
 
微生物内でニトロ還元酵素系の反応により還元され ニトロソ化合物 (R-NO)に変化し、 このR-NO が殺菌作用を示す。
  
 
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| 猫 || 10-25mg/kg bid  PO 5日間|| …
 
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*犬
 
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2017年6月18日 (日) 16:16時点における版

薬品名

メトロニダゾール (英):Metronidazole

商品名

  • Metronidazole

個人的に海外のこれがお勧め。あんまり苦くない。粉にもできる。よって子犬小猫に使用する時便利。

  • フラジール(塩野義)
  • アスゾール
  • アネメトロ(ファイザー)→リンク

適応

  • 脂溶性のためCNSに作用する
  • 嫌気性細菌に有効
  • ジアルジア
  • トリコモナス
  • 大腸バランチジウム.
  • 肝性脳症
    • ラクツロースを併用推奨
  • (バベシア)→プロトコールが確立されていない

薬の作用機序

微生物内でニトロ還元酵素系の反応により還元され ニトロソ化合物 (R-NO)に変化し、 このR-NO が殺菌作用を示す。

薬用量

動物種 薬用量 注意項目
10-30mg/kg bid  PO 5日間
10-25mg/kg bid  PO 5日間
mg/kg
mg/kg
mg/kg
羊・ヤギ mg/kg
うさぎ mg/kg
フェレット mg/kg
mg/kg 免疫ミルクと併用する
爬虫類 mg/kg
両生類 mg/kg
フクロモモンガ mg/kg
ハリネズミ mg/kg
齧歯類 mg/kg
ミニブタ mg/kg
野生動物 mg/kg
無脊椎動物 mg/kg
魚類 mg/kg
mg/kg


    • 犬でトリコモナス30mg/kgでも効かなかったら50mg/kg TIDまで増量

注意事項

  • 胃腸障害
  • 長期投与により末梢ニューロパシーと顆粒球減少症
  • (犬)60mg/kg/dayで前庭,小脳の機能障害が発現
    • (管理人より)中枢神経での副作用言われていますが2千くらいの子犬に処方しましたが経験ありません。もともと中枢神経に問題あった奴に3
  • 中枢性前庭疾患→斜頸と眼振

その他

  • 昔の報告で免疫調整機能があることが報告されているが、後追い研究の結果を見ている限り免疫調整機能はあるように思えない。結論として免疫調整機能はないと考えられている。
    • 今現在国内の専門誌にも免疫調整があるため炎症性の消化器疾患でステロイドと併用すると言う記載が散見される。おそらく過去の報告を参照しながら記事を書いているため混乱が生じていると思われます。