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「ビスフォスフォネート」の版間の差分

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本製剤はCaやMgを含む液体と混和すると失活する。生理食塩水、蒸留水を用いましょう。
 
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ビスフォスフォネート(ゾレドロン酸)
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ビスフォスフォネート
 
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第3世代まであり。世代によって点滴の投与時間が異なる。ちなみに第3世代ゾメタは15分以上で投与できる
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*ゾレドロン酸(ゾレドロン酸)→商品名:ゾメタ
 
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*[[多発性骨髄腫]]→多発性骨髄腫に対する使用は議論での結論がでていない。理論的に骨の腫瘍は転移するためには破骨細胞での骨破壊が必要であるのだが。ちなみに人の多発性骨髄腫では抗癌剤で腫瘍に対するアプローチをするノミではなく骨に対する治療をガイドラインに盛り込んでいる。
 
*[[多発性骨髄腫]]→多発性骨髄腫に対する使用は議論での結論がでていない。理論的に骨の腫瘍は転移するためには破骨細胞での骨破壊が必要であるのだが。ちなみに人の多発性骨髄腫では抗癌剤で腫瘍に対するアプローチをするノミではなく骨に対する治療をガイドラインに盛り込んでいる。
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<span style="color:red">破骨細胞</span>の活性を阻害する→骨吸収が抑制される→高Ca血症に有効
 
<span style="color:red">破骨細胞</span>の活性を阻害する→骨吸収が抑制される→高Ca血症に有効
 
== 薬用量 ==
 
== 薬用量 ==
PTHrPの関与が認められる場合効果が出ない場合がある
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PTHrPの関与が認められる場合効果が出ない場合がある。大量投与を試みたとしても経済的に許容できるかどうか
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以下の薬用量は目安
 
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! 動物種 !! 薬用量 !! 注意項目
 
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| 犬 || mg/kg  ||…
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**各動物種の補足事項
 
**各動物種の補足事項
 
== 注意事項 ==
 
== 注意事項 ==
*動物種ごとに分けずに記載
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*副作用
*特定の動物種や品種におこる事象はその種類を( )で記載
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**腎障害
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**発熱→NSAIDsで予防
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**静脈炎→CRI後に点滴で予防
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**電解質異常
  
 
== 毒性 ==
 
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== 代謝 ==
 
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== その他 ==
 
== その他 ==
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=== スコティッシュフォールドに対する使用 ===
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まじめな話、参考程度に
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*全期間に軟骨のサプリ。環境を限定し、生活させる場所に緩衝材をしいてもらう。
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*ゾメタを1mg/kgで二週間ごとに行い3-5ヶ月を上限に症状が緩和されるかをモニタリング。
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*緩和された時点で投与を停止し、その日から半年後に2ndクールに移行する。
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*エックス線と疼痛の評価を行う。

2015年12月8日 (火) 02:28時点における版

本製剤はCaやMgを含む液体と混和すると失活する。生理食塩水、蒸留水を用いましょう。

薬品名

ビスフォスフォネート

商品名

第3世代まであり。世代によって点滴の投与時間が異なる。ちなみに第3世代ゾメタは15分以上で投与できる

  • ゾレドロン酸(ゾレドロン酸)→商品名:ゾメタ

適応

  • 多発性骨髄腫→多発性骨髄腫に対する使用は議論での結論がでていない。理論的に骨の腫瘍は転移するためには破骨細胞での骨破壊が必要であるのだが。ちなみに人の多発性骨髄腫では抗癌剤で腫瘍に対するアプローチをするノミではなく骨に対する治療をガイドラインに盛り込んでいる。
  • アポクリン腺癌
    • 補足:ステロイド剤は腸からのCa吸収を抑制し、腎からCa排泄を促進し、骨からのCa動員を抑制する→高Ca血症に応用できる
  • 活性化リンパ球療法でγδT細胞を増やすのにつかわれる
  • スコティッシュフォールド(ScottishFold)の骨軟骨異形成の緩和→報告すくない

薬の作用機序

破骨細胞の活性を阻害する→骨吸収が抑制される→高Ca血症に有効

薬用量

PTHrPの関与が認められる場合効果が出ない場合がある。大量投与を試みたとしても経済的に許容できるかどうか 以下の薬用量は目安

動物種 薬用量 注意項目
1-2 mg/kg
1-2mg/kg
mg/kg
  • 動物種ごと
    • 各動物種の補足事項

注意事項

  • 副作用
    • 腎障害
    • 発熱→NSAIDsで予防
    • 静脈炎→CRI後に点滴で予防
    • 電解質異常

毒性

代謝

その他

スコティッシュフォールドに対する使用

まじめな話、参考程度に

  • 全期間に軟骨のサプリ。環境を限定し、生活させる場所に緩衝材をしいてもらう。
  • ゾメタを1mg/kgで二週間ごとに行い3-5ヶ月を上限に症状が緩和されるかをモニタリング。
  • 緩和された時点で投与を停止し、その日から半年後に2ndクールに移行する。
  • エックス線と疼痛の評価を行う。