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ウォブラー症候群

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ウォブラー症候群(Wobbler Syndrome)

日本では呼び名定まっていないが頚部脊椎症(頚椎奇形,頚椎すべり症)など言われる 頚髄の圧迫により後肢に運動失調をきたすものを総称してウォブラー症候群と言う。本症の不思議な点は頚髄に病因があるが、前肢に症状は呈さず後肢に運動失調をきたす点である。脊髄を走る神経で表面に後肢の運動上位ニューロンが走り、圧迫により後肢のみが症状をきたすと考えられているが実際は不明な点が多い。 -脊髄圧迫の原因は形成異常、脱臼、血腫、腫瘍などさまざまである。 -発症するのは突発的であるが馬は3~4歳まで、大型犬のグレートデンは3~12ヶ月齢に多いとされ。酪農学園大学生産医療部門外科学教室にもウォブラー症候群様の症状を呈した牛も報告された。

狭窄部位 発症年齢 その他
酪農学園大学で報告された牛(厳密なウォブラーではない) 第2?3胸椎間第6、9胸椎 1歳9ヶ月
ウマ 第3~5頚椎 生後4歳以前
イヌ 第5~7頚椎 8ヶ月~1歳 脊髄軟化を伴う

X線所見

wobbler

  1. 罹患した脊椎あるいは脊椎列に形態的な変化が認められる.
  2. 頚椎の頭側面が狭窄するため,脊椎管の一部が漏斗状の像を呈する.
  3. 頭側関節突起が変形または欠如する.
  4. 頚部を過伸展させても頚椎が変位する.
  5. 罹患頚部の頭側の椎間板腔は広がり,椎間板は石灰化する.
  6. 炎症性新生骨の形成により,脊椎終板の硬化症が存在する.

動画

リンク

Wobbler Syndrome | College of Veterinary Medicine