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「回虫の幼虫移行症」の版間の差分
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*固有宿主で維持される回虫の感染環は異なる。 | *固有宿主で維持される回虫の感染環は異なる。 | ||
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***イヌから排出された虫卵の経口摂取と母イヌからの | ***イヌから排出された虫卵の経口摂取と母イヌからの | ||
***胎盤感染と乳汁感染。 | ***胎盤感染と乳汁感染。 | ||
2015年2月15日 (日) 16:00時点における最新版
回虫
- 線虫
- 動物にはそれぞれの種で固有宿主(感染後成虫まで発育して次世代の虫卵を排泄するまで)となる回虫がいる。
- 動物固有の回虫がヒトに侵入すると成虫へ発育できず幼虫ステージのまま体内にとどまることによる疾患を回虫幼虫移行症(larva migrans)という。
- ヒトに侵入する回虫として、イヌ回虫、ブタ回虫、アライグマ回虫がある。
原因
- ヒトにおける回虫幼虫移行症の主な原因は、
- イヌ回虫(Toxocara canis)
- ブタ回虫(Ascaris suum)
- アライグマ回虫(Baylisasascaris procyonis)
- 感染幼虫を含んだ成熟卵の摂取。
- 成熟卵は熱と物理作用を与えない限り数年は安定。
発育環
- 固有宿主で維持される回虫の感染環は異なる。
- イヌ回虫
- イヌから排出された虫卵の経口摂取と母イヌからの
- 胎盤感染と乳汁感染。
- ブタ回虫
- 成熟卵の直接感染。
- アライグマ回虫
- 成熟卵の直接感染と幼虫に感染しているネズミの捕食
- イヌ回虫
- 非固有宿主に侵入した回虫は固有宿主での移行
- 経路に加えて全身の臓器に侵入する。
- イヌ回虫;脳、眼
- アライグマ回虫;中枢神経系
- 経路に加えて全身の臓器に侵入する。
疫学
- イヌ回虫
- 世界各地で発生。
- 日本でも各地に分布。幅広い年齢層に抗体保有。
- 感染経路;子犬との接触、砂遊び、野菜の摂取。
- ブタ回虫
- 世界各地から報告。
- 国内では南九州での集団発生報告。各地から豚糞を利用した有機農法との関連による発生報告。
- 最近ではニワトリやウシのレバ刺しによる感染報告もある。
- アライグマ回虫
- 米国で報告。日本での報告なし。
症状
- 内臓移行型
- イヌ回虫とブタ回虫で起こる。発熱、倦怠感、咳。
- 好酸球増多。
- 眼球移行型
- 主にイヌ回虫。視力障害、硝子体混濁、葡萄膜炎。
- トキソプラズマ症との鑑別必要。
- 中枢神経移行型
- アライグマ回虫。好酸球性髄膜脳炎。
診断
- 臨床診断(生食歴、動物飼育歴、好酸球増多、画像診断)
- 免疫学的診断(ゲル内沈降反応、FA、ELISA)
予防・治療
- 洗浄の励行。
- レバ刺し等の生食を避ける。
- 固有宿主の駆虫は容易(ベンズイミダゾール系製剤、イベルメクチン製剤)
- ヒトではアルベンダゾールが有効。しかし、中枢神経型の駆虫は困難。