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血清タンパク
提供: 獣医志Wiki
- 血清タンパク
- 血漿からフィブリノゲンを除いたもの。溶解度法、超遠心法、電気泳動法により分析される。
タンパク質は100種類以上あるが臨床的意義のあるものは30数種にわかり判明している。またタンパク質はその分子量と電荷などから以下のように区画され整理されて理解されている
- アルブミン分画
- α1分画
- α2分画
- β分画
- γ分画
血清タンパクでなにがわかるのか?
A.栄養状態や水和状態、肝臓などの状態を教えてくれる(あくまで指標だが)
血清vs血漿
血清と血漿では前者に凝固因子が入っているため凝固系によりフィブリンが絡まって遠心で落ちるので血清に含まれなくなる。
まとめると
- 血漿は→血清+フィブリン
- 血清の中に→グロブリンとアルブミンが含まれている
よって血清タンパク-アルブミンがグロブリンの値である。血漿で測った場合フィブリンが含まれているが近い値がでてくる。
高蛋白血症VS低蛋白血症
高蛋白血症
主にグロブリンの増加が多い
- 血液濃縮(アルブミンが増加する傾向)
- 蛋白合成の増加(主にグロブリンの増加)
- 炎症疾患
- 感染:細菌、ウィルス、真菌など
- 非感染性疾患:腫瘍、免疫疾患
- Bリンパ球性腫瘍
- 形質細胞:多発性骨髄腫、形質細胞腫
- リンパ球:リンパ腫、リンパ球性白血病
- 炎症疾患
低蛋白血症
- 主にアルブミンの低下が多い
- 軽度な低下はさまざまな病態で起こる
- 重度低下は、肝疾患(合成低下)・蛋白漏出性腎症(アウトプット増加)・蛋白漏出性腸症(アウトプット増加)で発生
- 血栓症に注意!(特にステロイド治療)