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Bウイルス感染症

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Bウイルスのプロフィール

  • アジアに生息するマカカ属サル類が保有する
  • ヘルペスウイルスの1種。
  • 1932年サルの取り扱ってる最中に咬まれて発病した研究者(W.B.)から分離。
  • 咬傷、飛沫により感染し神経症状。死亡率70%。
  • 4類感染症。
  • バイオセーフティレベル4。

病原体

  • アルファヘルペスウイルス亜科。2本鎖DNAウイルス。エンベロープを持ち、カプシッドは生二十面体。
  • 発育鶏卵のしょう尿膜にポック形成。
  • 培養細胞(サル腎、ウサギ腎、HeLa細胞等)で円形化と脱落、融合巨細胞の形成。
  • ホルマリンで容易に不活化。
  • サル、ウサギ、新生仔マウスが高感受性。

疫学

  • アカゲザル、カニクイザルで多く分離。
  • 疫学的に未成熟サルでの感染例少ない。
  • 母親から、又は若齢個体間で伝播し、成体で80~90%の抗体保有率。
  • 感染したウイルスは三叉神経節等に潜伏。一生ウイルスを保有。ストレスにより再活性化し、口腔内潰瘍形成。唾液に含まれるウイルスによりサルに伝播。
  • 輸入されたマカカ属サル類の約50%が抗体陽性。
  • 日本では小豆島、高崎山のサルで抗体陰性、屋久島で11%陽性。
  • ヒトの発生はすべて米国(30~40例)。ポリオワクチンの検定でサルを大量輸入。

症状

  • 暴露後1~2日で傷口に水泡、潰瘍形成、局所リンパ節の腫脹。その後、10*20日で発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、めまい、嚥下困難。その後、下半身麻痺、上向性に麻痺が進行し死亡。
  • サルでは口腔粘膜、時に皮膚に水泡。後に潰瘍とななり治癒。ほとんどは無症状。

診断・治療

  • 臨床症状(神経症状)
  • ウイルス分離
  • PCR
  • 血清学的診断(ELISA,中和試験)HSV-1と交差反応
  • アシクロビル、ガンシクロビルが有効。