クリエイティブ・コモンズ・ライセンス北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。

肝臓:病理学

提供: 獣医志Wiki
2015年3月6日 (金) 00:02時点におけるGeshtalt (トーク | 投稿記録)による版

(差分) ←前の版 | 最新版 (差分) | 次の版→ (差分)
移動: 案内検索


先天異常

  1. 糖原病
  2. 糖原蓄積症
  3. 糖代謝酵素欠損症
  4. 糖代謝酵素機能低下症

変位、破裂

変性(色素沈着)

病理学/色素沈着症を参考にしてください。

  • セロイド・リポフスチン沈着
  • ヘモジデリン沈着(血鉄症)
  • 黄疸
    • 溶血性→特徴:抹消血に非抱合型ビリルビンが多量に出る→原因:溶血によって肝臓の代謝が追いつかないほどの量の非抱合型ビリルビンが血中に出てくる。
    • 肝細胞性(肝毒性)→特徴:抹消血に非抱合型ビリルビンが多量に出る。→原因:肝毒性によって肝臓の機能が低下するため、抱合型ビリルビン合成が少なくなる。
    • 閉塞性→特徴:抹消血に抱合型ビリルビンが多量に出る→原因:胆嚢から胆汁が排泄されないため、抹消血中に逆流。
  • メラニン沈着

変性の種類

病理学/蛋白質代謝異常を参考。

  • a.細胞肥大(カビ毒、アルカロイド中毒、銅中毒、アルキル化剤)
  • b.混濁腫脹(低酸素血症、急性感染症、急性中毒)
  • c.水腫性変性(低酸素中毒、急性感染症、急性中毒)
  • d.空胞変性(低酸素血症、急性感染症、急性中毒)
  • e.脂肪化、脂肪変性(脂肪過剰摂取、低酸素血症、急性中毒)
  • f.グリコーゲン変性(糖原病、副腎皮質機能亢進症)
  • g.硝子、硝子滴変性、マロリー小体
  • h.アミロイド偏性
  • i.痛風
  • j.色素沈着

肝細胞の壊死

  • a.弧在性壊死
    • {単細胞性壊死}(アポトーシス=ウイルス感染、T細胞、中毒)
  • b.巣状壊死
    • 凝固壊死→水分なくなってひからびた状態
    • 融解壊死→Naチャネル壊れて細胞内に水分流入した状態
    • 鋸屑肝(オカクズカン)(sawdust liver=肥育牛にみられる肝臓にあたかもおがくずがくっついたように見えることから
  • c.削り取り壊死
    • (限界板の壊死=ウイルス性肝炎(B型肝炎)→肝硬変。)
  • d.層状壊死
    • (細葉中心帯(Z1)
    • 細葉中間帯(Z2)
    • 細葉辺縁帯(Z3))
  • e.塊状壊死
    • (小葉単位もしくは複数の小葉(グリシン鞘も含む)に及ぶ壊死)
  • f.び漫性壊死
    • (広範囲の肝小葉内に複数の巣状壊死が形成)

循環障害

a.充血、うっ血

  • 充血→肝炎
  • うっ血→ニクズク肝(=慢性うっ血肝)、脂肪肝、黄色ニクズク肝(うっ血+脂肪化)

b.出血

c.塞栓症、梗塞

  • 塞栓症→転移性癌

肝炎の分類(原因)

a.ウイルス性 b.細菌性
鶏封入体肝炎 サルモネラ症
犬ヘルペスウイルス感染症 野兎病
猫伝染性腹膜炎 仮性結核
マウス肝炎ウイルス感染症 壊死桿菌症
野生鳥類のヘルペスウイルス感染性封入体肝炎 ティザー(Tyzzer)病
犬伝染性肝炎 臍帯感染

多くは全身感染症の一部分症として発生。

中毒

肝硬変

増生

寄生虫病

腫瘍