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肉芽腫性髄膜脳脊髄炎
提供: 獣医志Wiki
肉芽腫性髄膜脳脊髄炎 granulomatous meningoencephalomyelitis
目次
ER対策
救急で本疾患を疑う材料は得にくい。脛部痛やなにかしらの外傷を伴わない強烈な痛み、飼い主を噛むなどのキャラクターの変化がみられるかもしれない。
病因・病態生理
- 原因不明、免疫が関与していると考えられている→だから免疫抑制剤やステロイドが経験的な治療として行われる
- 非化膿性炎症性疾患の一つ→壊死性髄膜脳炎(NME)も壊死性白質脳炎(NLE)
- NMEやNLEとは異なり脳実質の軟化や壊死は認められない
疫学
- 大型犬や猫であまりおこらない
- 中年のトイ種や小型犬に多い
- 巣状型より播種型の方が予後が悪い
- 大脳症状のみを呈する場合は他の神経症状を呈している場合より予後は良い。
- 予後は数日〜数週間。運が良ければ免疫抑制剤でコントロールしながら3年程生きることもある
臨床症状
多岐にわたるのでこれといった症状をあげづらい
- 病変の部位によって分類されている
- 巣状型
- 橋延髄と前脳に多い
- 播種型
- 眼型
- 視覚の消失。治ることはあまりない
- 巣状型
診断
- 生前の診断はできない(仮診断しかできない)。→確定は剖検かバイオプシー。
- CSFの検査で感染の除外をしておく。
- MRIでの所見は診断に必要だが、一般的な脳炎の所見も同様であるため特異性に乏しい
- CSFのコウアストロ抗体は陽性を示すことが少ないので検査を出す意義は相談といったところ
尿検査
血液検査
画像検査
エックス線
エコー
CT・MRI
特異的な所見は乏しい
単準CT
造影CT
T1強調画像
低信号〜等信号
T2強調画像
高信号
FLAIR画像
高信号