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「筋の生理学:骨格筋の構造」の版間の差分

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(筋肉の微細構造)
(線維の型)
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線維の型はI型およびH型に大別される。1型線維を多く含むものを赤筋とよび、暗褐色で長い時間続く収縮に適する。
 
線維の型はI型およびH型に大別される。1型線維を多く含むものを赤筋とよび、暗褐色で長い時間続く収縮に適する。
 
体幹背部の長い筋は赤筋である。H 型線維が大部分を占める筋が白筋とよばれ、持続時間が短く細かな運動に適している。
 
体幹背部の長い筋は赤筋である。H 型線維が大部分を占める筋が白筋とよばれ、持続時間が短く細かな運動に適している。
 
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2016年2月24日 (水) 04:45時点における版


A 帯
暗帯、太いフィラメントーミオシン(94-96%)
I 帯
明帯、細いフィラメントーアクチン、そのほかにトロポミオシン、トロポニンなど
Z 膜
I帯を2分する暗い膜。Z 帯から次のZ 帯までを筋節という
H 帯
A 帯の中央部にある明るいバンド
その他M帯、N 帯、偽H帯が存在

筋原繊維


筋肉の微細構造

筋線維
筋原線維を筋鞘で包んだもの。筋鞘には興奮性がある。筋原線維の周囲には筋小胞体が発達し、ミ卜コンドリアもある。
  • 筋小管系
    • 筋原線維を筋小胞体(SR) が取り囲む。筋鞘からは筋節ごとに横行小管(T管)が発生。
    • 横行系(T系):大部分のほ乳動物でA*I 接合部ごとに認められ、形質膜の陥入によって形成された一連の小管。筋原線維膜の活動電位を筋細胞の内部まで伝達するために、筋細胞の中心部に位置する。筋原線維と末梢部の筋原線維は、ほとんど同じ時期に収縮信号を受けることになる。
    • 筋小胞体系(L系) :T小管問に存在し、個々の筋原線維を取り囲む膜性小管の伸張した系。SRはCa の放出、取り込みにより、筋原線維の収縮*弛緩を制御する。
  • 三連構造
    • 筋小胞体は各筋原線維の周りの不規則なカーテンとなっていて、A 帯とI 帯の結合部にあるT系にぴったりくっついた大きな末端槽(terminal cistern) を持っている。ここでは、中心のT系の両側に筋小胞体末端槽が配置されているのでこの筋小胞系を三連構造という。
      • SR末端槽
      • 横行小管
      • SR末端槽

線維の型

線維の型はI型およびH型に大別される。1型線維を多く含むものを赤筋とよび、暗褐色で長い時間続く収縮に適する。 体幹背部の長い筋は赤筋である。H 型線維が大部分を占める筋が白筋とよばれ、持続時間が短く細かな運動に適している。

~1型 ~2型
他の名称
酸化的 解糖的
ミオシンアイソザイム
ATPase 反応速度
遅い 速い
小胞体のCa 2+ 汲み出しポンプ力 中等度 高い
直径 中等度 太い
解糖カ 中等度 高い
酸化力
(ミトコンドリア含量,毛細血管密度. ミオグロビン含量と相関がある)
高い 低い