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「猫伝染性腹膜炎」の版間の差分
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**1MU/kg SC EOD 症状収まったら隔週に切り替える(*ステロイド使う、理由はサイトカインからくる炎症抑制) | **1MU/kg SC EOD 症状収まったら隔週に切り替える(*ステロイド使う、理由はサイトカインからくる炎症抑制) | ||
***Preを2mg/kg/dayから漸減していく | ***Preを2mg/kg/dayから漸減していく | ||
***インターキャットとステロイドは免疫の賦活を考えると対抗するが(管理人は)つかう | ***インターキャットとステロイドは免疫の賦活を考えると対抗するが(管理人は)つかう | ||
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+ | <html><table border="0"><td valign="top" width="600"><a href="http://www.jabfid.jp/Pages/abcd_guideline.aspx" target="_blank">ABCDガイドライン|猫感染症研究会</a><div style="font-size: 80%;"><br><span style="color: #808080;font-size: 80%;"></span></div></td><td valign="top" width="90"><a href="http://www.jabfid.jp/Pages/abcd_guideline.aspx" target="_blank"><img border="0" src="http://capture.heartrails.com/90x60/shadow?http://www.jabfid.jp/Pages/abcd_guideline.aspx" alt="" width="90" height="60" /></a></td></table></html> |
2014年12月19日 (金) 01:10時点における最新版
猫伝染性腹膜炎と猫腸コロナウイルス感染症
本ページでは猫腸コロナウイルス感染症とFIPを同じページに記載する。
病名 |
原因 |
伝播・疫学 |
症状(臨床・病理) |
診断・類症鑑別 |
予防・治療 |
重要事項 |
その他メモ |
和名: 猫伝染性腹膜炎(FIP)/猫腸コロナウイルス感染症 |
和名: 猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV) および 猫腸コロナウイルス(FECV) それぞれ I 型と II 型の血清型があるが,両ウイルスを血清学的に識別するのは困難。 FIPVは猫腸コロナウイルス(FECV)が体内で突然変異して出現 |
感染様式: 糞・尿→エアロゾル→経口・経鼻感染 無症状感染・軽度発症(発熱・下痢)で回復が多い。 ウイルス→粘膜上皮→マクロファージ→全身 抗体媒介性感染増殖 免疫複合体介在性疾患 FIPVは糞尿,口腔および鼻腔分泌物に排泄,FECVは主に糞便中に排泄。経口および経鼻で感染 |
臨床: FIPV:発熱,食欲不振,嘔吐,下痢などの初期症状 FECV:軽微な腸炎もしくは無症状 |
診断: I 型のFIPVとFECVは培養細胞での分離が可能だが,I 型ウイルスは非常に困難。 RT-PCRによる遺伝子検出。 |
予防: 生ワクチンが米国で開発されているが,日本では使用されていない。 |
1.猫伝染性腹膜炎は免疫複合体介在性血管炎を特徴とする予後不良の慢性・進行性疾患 2.病原性の弱い猫腸コロナウイルスも存在し,猫伝染性腹膜炎の病原診断および血清診断は困難 |
予後:腹膜炎発症猫の予後は不良 |
世界: 世界各地 |
滲出型: 腹・胸水の貯留 |
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日本: あり |
非滲出型: 各種臓器に多発性化膿性肉芽腫形成に伴う発熱,体重減少など |
血清学的診断: 抗体検査ではFIPVとFECVの区別はできない。 陰性ならFIP発症の否定的材料。FIPではγ-グロブリンの激増。 |
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英名: feline infectious peritonitis(FIP)/ feline enteric coronavirus infection |
英名: Coronaviridae Coronavirus(FIPV) |
宿主: 猫とその他の猫科動物 |
病理: 滲出型:線維素性腹膜炎 非滲出型:諸臓器と中枢神経系に灰白色結節 |
類症鑑別: |
治療: FIP発症猫に有効な治療法はなし。 |
FIPの発症と免疫の関係
症状タイプ | 液性免疫 | 細胞性免疫 |
---|---|---|
滲出(しんしゅつ)型(ウェットタイプ) | + | - |
非滲出型(ドライタイプ) | + | + |
無発症・無症状 | + | ++ |
- 進出タイプはマクロファージにFCレセプター介して侵入するがその時大量の炎症性サイトカインを放出
FeCVとFIPVの違い
インターフェロンによる治療プロトコール
あくまで管理人の脳内情報
- 腹腔の中に入れるのはありかもしれないが、状態悪い場合にやる
- 胸水・腹水
- 教科書的には抜かない
- 抜く利点があれば私なら抜く
- インターキャット
- in vitroで有効な報告あり
- 5-6歳以上の方が生き残った感触がある
- 5MU/kg IV EOD 5times(動臨研での報告・高齢の猫で使用)
- 3MU/kgでも改善の報告あり
- 5MUをi.p.は完治しない(延命は期待できる)
- 1MU/kg SC EOD 症状収まったら隔週に切り替える(*ステロイド使う、理由はサイトカインからくる炎症抑制)
- Preを2mg/kg/dayから漸減していく
- インターキャットとステロイドは免疫の賦活を考えると対抗するが(管理人は)つかう
参考リンク
ABCDガイドライン|猫感染症研究会 |