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喉頭麻痺

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;喉頭麻痺 laryngeal paralysis(喘鳴症)or喉頭虚脱:吸気時における披裂軟骨と声帯ひだの外転失調。上部気道閉塞の一因となる (喉頭麻痺、短頭種症候群、気管虚脱)
*片側性の病変としても認められるが、臨床徴候として認められる症例の多くは両側性の麻痺を示している。
*馬においては反回神経の麻痺により左側に症状が引き起こされることがある
== オーナー向け概要 ==
最近呼吸があらくなったと感じたらお近くの獣医の先生に相談してください
== ER対策 ==
== 病因・病態生理 ==
;神経疾患:重症筋無力症、CNS障害、多発性神経障害、甲状腺機能低下症
;外傷  :咬傷、鈍性の外傷、外科手術時における反回咽頭神経の損傷
;炎症  :膿瘍、寄生虫の浸潤、胸郭内あるいは外における反回咽頭神経を巻き込んだ腫瘍の形成
;特発性 :ラブラドール、ゴールデン、セント・バーナード、シベリアン・ハスキー、アイリッシュ・セッターなどの7歳齢以上の中~大型犬に最も多い。

== 疫学 ==
*特定品種に限らないが先天的なものは
**ブー ピエ・ デ ・フランダース
**シベリアン ・ ハスキ 一
**ブルドック
**ブルテリア
**レオンベルガ 一
**ダルメシアン
**ロットワイラ ー などの若齢の大型犬の報告がある。
*通常、4~18ヵ月齢の間に吸気困難を現す
=== 予後 ===
*片側性の披裂軟骨切除により約90%の症例に改善が認められる。
*外科的な治療を選択した場合の誤嚥性肺炎の発生率は極めて低いが、生じた場合には致死的なものとなる。
*外科的処置の後に肺水腫が頻発する。
*フレンチブルドッグはステロイドを術後必ずうつ。管理人は挿管時喉頭のスペースが通常の20%異常狭いと感じた時ステロイドを打っている(個人的な経験です)
== 臨床症状 ==
*骨運動不耐性
*努力性呼吸の増加(特に運動や興奮に伴う)
*呼吸時の雑音の増加
*声の変化(吠え声が耳障りになる)
*フードや水を嚥下する際に伴う開口
*発咳
*えずき
*失神

== 診断 ==
*挿管時に麻酔が浅いのに反射が弱いことで気付くことが多い
*自発呼吸を妨げない程度の軽度の鎮静下で、数回の呼吸サイクルにおいて咽頭を検査。
**メデトミジンで沈静後挿管しないで内視鏡で確認すると一切広がりをみせない喉頭を確認。→先端が鈍な針金で一度つんつんしてみる
== 尿検査 ==
== 血液検査 ==
== 画像検査 ==
=== エックス線 ===
=== エコー ===
=== CT・MRI ===
== 治療 ==
=== 内科 ===
*ステロイド
*冷却;高温時に実施。輸液、アルコール散布、氷タオル、アセプロマジンによる鎮静(有効)
*輸液;努力性呼吸の増加に伴い、過剰な水分の喪失が起こりうる。
*ケージレスト

=== 外科 ===
*部分的咽頭切除術
*片側性の披裂軟骨形成術
*声帯ひだの切除と併用する咽頭切開術

== 関連疾患 ==
甲状腺機能亢進症
重症筋無力症
胆嚢粘液嚢腫
巨大食道症
熱中症