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伝染病学総論:細菌の発育と増殖
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分裂
細菌は適当な環境下で、2分裂によって増殖する。分裂に際して、まず細胞は本来の長さの2倍の大きさになり、ついで細胞質膜および細胞壁の側面から隔壁が内面にのび、やがて原形質を二分するに至る。
増殖
細菌はその環境に適する限り、常に倍数ずつ増殖する。
- 世代時間
- 新しい娘細胞が生じたときからその娘細胞がさらに2分裂するのに要する時間。
細菌の世代時間
|~菌種|~世代時間|h |Pseudomonas|10分| |Escherichia(大腸菌)|17分| |Salmonella|23分| |Staphylococcus|27?30分| |Mycobacterium(結核菌)|792?932分| |Treponema|1980分|
細菌の増殖曲線
- 誘導期
- 菌の分裂開始前の発育期間。理化学的感作に敏感
- 対数期
- 盛んに分裂を反復する時期。理化学的感作に敏感
- 静止期
- 増殖率と死滅率が平衡を保ち、生菌数の増加がない時期
二種類以上の菌の混在状態における増殖
- 共生
- 他菌の存在によって増殖が促進されること。(衛星現象など)
- 拮抗
- ある菌の存在が他の菌に不利になること。