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「代謝障害:病理学」の版間の差分
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恒常性は同化と異化のバランスの上に成り立っている。 | 恒常性は同化と異化のバランスの上に成り立っている。 | ||
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== 細胞の障害と死== | == 細胞の障害と死== | ||
=== 変性=== | === 変性=== | ||
− | + | ;変性(degeneration):細胞障害にともない、あるいは細胞自体の異常のため組織や細胞に異常な物質(=生理的に存在しない物質)が出現したり、生理学的に存在する物質が異常に多量に沈着する事、または異常な場所に(異所性変性)に出現する事。また細胞、組織、臓器に構造的変化を生じさせ、その機能を低下または消失させるため、壊死や萎縮とともに&size(30){退行性病変};と呼ばれる | |
応用/病理学/国家試験/退行性変性 をチェック! | 応用/病理学/国家試験/退行性変性 をチェック! | ||
=== 萎縮 === | === 萎縮 === | ||
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− | + | ;萎縮の定義:正常な大きさに発育した臓器、組織の容積・数が縮小すること。いいかえると、細胞・組織の生活過程(新陳代謝)の低下に基づく容積、数の縮小。 | |
=== 壊死 === | === 壊死 === | ||
応用/病理学/壊死 をチェック! | 応用/病理学/壊死 をチェック! | ||
− | + | ;壊死necrosis:昔の定義では生体における局所的な組織または細胞死であると定義されていたが、最近ではそれにアポトーシスの概念も加わっている。 | |
== アミロイド変性 == | == アミロイド変性 == | ||
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===アミロイド症の病型値=== | ===アミロイド症の病型値=== | ||
− | + | :病型:兆候:前駆物質: | |
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− | + | :続発性:基礎疾患あり:アミロイド蛋白A(AA)←肝臓で作られる蛋白: | |
− | + | :多発性骨髄腫合併型::免疫グロブリンL鎖(AL): | |
− | + | :限局性::各種ホルモン・ケラチン: | |
− | + | :遺伝性(家族性)::アミロイド蛋白A (AA): | |
− | + | :その他::プリオン蛋白、CJD、Scrapie、BSE、Kuru、GSS、老人斑(老人性痴呆症): | |
− | :AL前駆蛋白 | + | ;AL前駆蛋白:免疫グロブリン(90%)+アミロイドP糖蛋白(10%) |
− | + | ;AA前駆蛋白:血清中アミロイドA蛋白(90%)+アミロイドP糖蛋白(10%) | |
猫でのスイトウで蛋白質沈着する(アミリンと言う蛋白質が関連している) | 猫でのスイトウで蛋白質沈着する(アミリンと言う蛋白質が関連している) | ||
遺伝性(家族性)アミロイド蛋白A(AA) | 遺伝性(家族性)アミロイド蛋白A(AA) |
2015年3月18日 (水) 15:23時点における版
目次
新陳代謝
物質代謝 metabolosm
恒常性は同化と異化のバランスの上に成り立っている。
- 同化:異化:
- 進行性過程:退行性過程:
- 生活過程の上昇:生活過程の低下:
- 成長、機能亢進:変性、萎縮、破壊:
物質(栄養素)
- タンパク質
- 炭水化物(糖質)
- 脂質・類脂質
- 無機物(ミネラル)
それそれ、生体内での代謝経路でどこで問題が起きるかが大切。
物質(栄養素)の代謝障害
- 蛋白質代謝障害
応用/病理学/蛋白質代謝異常を参考に!~
- 糖質代謝障害
応用/病理学/糖質代謝異常を参考に!~
- 脂質・類脂質代謝障害
応用/病理学/脂質・類脂質代謝異常を参考に!
- 無機物代謝障害
- 核酸代謝障害
- 色素代謝障害(色素沈着症)
応用/病理学/色素沈着症を参考に!
細胞の障害と死
変性
- 変性(degeneration)
- 細胞障害にともない、あるいは細胞自体の異常のため組織や細胞に異常な物質(=生理的に存在しない物質)が出現したり、生理学的に存在する物質が異常に多量に沈着する事、または異常な場所に(異所性変性)に出現する事。また細胞、組織、臓器に構造的変化を生じさせ、その機能を低下または消失させるため、壊死や萎縮とともに&size(30){退行性病変};と呼ばれる
応用/病理学/国家試験/退行性変性 をチェック!
萎縮
応用/病理学/萎縮 をチェック!
- 萎縮の定義
- 正常な大きさに発育した臓器、組織の容積・数が縮小すること。いいかえると、細胞・組織の生活過程(新陳代謝)の低下に基づく容積、数の縮小。
壊死
応用/病理学/壊死 をチェック!
- 壊死necrosis
- 昔の定義では生体における局所的な組織または細胞死であると定義されていたが、最近ではそれにアポトーシスの概念も加わっている。
アミロイド変性
アミロイド物質
- 類澱粉物質:ルゴールヨード反応陽性(濃褐色)
- 数種類の前駆蛋白から誘導された一群の病態線維
- アミロイド線維
- ベータシート構造線維蛋白(代謝抵抗能増蛋白、不溶性蛋白→沈着)
- 糖鎖を持つ
- 数種の生化学的特性の異なる蛋白質(前駆物質をもつ)
- アミロイド線維
形態学的特徴・検出方法
- 好酸性均質無構造
- コンゴレッド(赤)に橙赤色に染色
- コンゴレッド染色標本は偏光顕微鏡下で緑色(apple green)を呈する
- 電子顕微鏡下で幅約10nmの分岐のない細線維70*100Åからなる細線維
前駆蛋白の異化作用の異常
- 前駆蛋白質
- 免疫グロブリンL鎖
- 血清中アミロイドA蛋白
- プレアルブミン
- ホルモン
- ケラチン
- その他
- ↓蛋白の異化作用
- 異化作用が正常な場合:低分子蛋白、可溶性蛋白、アミノ酸に分解される→排泄、再利用
- 異化作用が異常な場合:アミロイドの産生(βプリーツ構造、不溶性蛋白として沈着)
アミロイド症の病型値
- 病型:兆候:前駆物質:
- 原発性:基礎疾患なし:免疫グロブリンL鎖(AL):
- 続発性:基礎疾患あり:アミロイド蛋白A(AA)←肝臓で作られる蛋白:
- 多発性骨髄腫合併型::免疫グロブリンL鎖(AL):
- 限局性::各種ホルモン・ケラチン:
- 遺伝性(家族性)::アミロイド蛋白A (AA):
- その他::プリオン蛋白、CJD、Scrapie、BSE、Kuru、GSS、老人斑(老人性痴呆症):
- AL前駆蛋白
- 免疫グロブリン(90%)+アミロイドP糖蛋白(10%)
- AA前駆蛋白
- 血清中アミロイドA蛋白(90%)+アミロイドP糖蛋白(10%)
猫でのスイトウで蛋白質沈着する(アミリンと言う蛋白質が関連している) 遺伝性(家族性)アミロイド蛋白A(AA) その他 CJD. Scrapoe BSE Kuru,GSS プリオン蛋白 老人班(老人性痴呆症)←脳にアミロイドが蓄積
アミロイドの沈着部位
1続発性アミロイド症(血管基底膜)血管が豊富な部位
- 肝臓、腎臓(脈間に富んでいる)、脾臓、副腎、甲状腺、消化管
- 肝臓=ディッセ腔
- 腎臓=糸球体、尿細管周囲毛細血管基底←壊れるとイオンチャージ不可、蛋白質が原尿中に貪どんどんどんどん出て行く。糸球体の濾過機能の消失、尿細管上皮の再吸収が出来なくなる。肝機能の二次的減退を引き起こす??
- 血管壁におけるアミロイドの沈着機序は?
- 血管内非細胞通過→基底膜通過→血管の内側から外側に進行して行く。→変性、壊死→弾力性を消失圧力を加えると血管が破綻する。全身性でおこる。
- 脾臓=白脾髄(サゴ脾)、赤脾髄(ハム脾)
- 副腎=類どう血管基底
- 甲状腺=毛細血管基底
- 消化管=固有そう毛細血管基底
2限局性アミロイド症
- 膵島アミロイド症(膵島 アミリン)
- 猫、アライグマ、人
- 腫瘍:甲状腺髄様癌(カルシトニン)等
- 猫の膵島アミロイド症
- 膵臓=アミリン(B細胞)
問題
細胞質内に現れる蛋白質変性の組み合わせはどれか?
- 粘液変性と角質変性
- 混濁腫脹と硝子的変性
- アミロイド変性と空胞変性
- フィブリノイド変性と粘液変性
- 硝子的変性とアミロイド変性
選択肢:a.1と3 b.2と4 c.1と5 d.2と5 e.3と4