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「ゾニサミド」の版間の差分

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ゾニサミドZonisamide
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* 「犬の」てんかん
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== 薬の作用機序 ==
 
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*神経細胞の過剰興奮に関わる電位依存性NaチャネルやT型Caチャネルの抑制
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*神経細胞の過剰興奮に関わる電位依存性NaチャネルやT型Caチャネルの抑制→他の抗てんかん薬はClチャネルに働く(ガバペンチンはCaとGABA取り込み促進作用と考えられているが)
 
*興奮性神経と抑制性神経のアンバランスの是正
 
*興奮性神経と抑制性神経のアンバランスの是正
 
*フリーラジカル除去作用による神経保護効果
 
*フリーラジカル除去作用による神経保護効果
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! 動物種 !! 薬用量 !! 注意項目
 
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| 犬 || 2-4mg/kg  ||
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== コンセーブの用量 ==
 
== コンセーブの用量 ==
 
* Max10mg/kgまで
 
* Max10mg/kgまで
*初回投与量は2.5-5-mg/kgを 1 回量とし、1 日 2 回
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*初回投与量は2.5-5-mg/kgを 1 回量とし、1 日 2 回(猫は半減期より一日一回でいいと考えられる)
 
*捕捉的だが2006年に Podell 氏が行ったフェノバールからゾニサミドへ変更する際のプロトコールの報告があり、国内でも同様の報告がされている  
 
*捕捉的だが2006年に Podell 氏が行ったフェノバールからゾニサミドへ変更する際のプロトコールの報告があり、国内でも同様の報告がされている  
  
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*動物種ごと
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**各動物種の補足事項
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**有効血中濃度は明らかになっていない--[[利用者:Geshtalt|Geshtalt]] ([[利用者・トーク:Geshtalt|トーク]]) 2016年1月4日 (月) 14:54 (JST)
  
 
== 注意事項 ==
 
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*スルフォンアミドに過敏症をもつ個体には禁忌
 
*スルフォンアミドに過敏症をもつ個体には禁忌
 
*犬に催奇形性物質として働く(てんかん発作もちの個体は繁殖に供さない)
 
*犬に催奇形性物質として働く(てんかん発作もちの個体は繁殖に供さない)
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*フェノバルビタールはP450を誘導するため、併用する場合ゾニサミド自体の用量を増やさなくてはならない(出典:J-vet 2009.12 p3)
  
 
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== 抗てんかん薬はBIDかSIDか?(出典:J-VET 2009.12 P9) ==
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*犬でゾニサミドを5mg/kgでBID投与しているものを10mg/kgに増やしSIDで投与した場合血中濃度のピークは倍になるため副作用が表れやすいと考えられる。よってBIDで投与を推奨する。
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*個人的な考えだが、有効血中濃度は個体差があるため倍量でSIDにして支障がでるから投与してみるまでは分からない。--[[利用者:Geshtalt|Geshtalt]] ([[利用者・トーク:Geshtalt|トーク]]) 2016年1月4日 (月) 15:03 (JST)
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== その他 ==
 
== その他 ==

2016年1月4日 (月) 15:03時点における最新版

薬品名

ゾニサミドZonisamide

商品名

  • エクセグラン
  • コンセーブ(DSファーマアニマルヘルス)

コンセーブ®錠 25mg | ドラッグインフォメーション | DSファーマアニマルヘルス

  • Zonegran®

適応

  • 「犬の」てんかん
  • フェノバールの代替

薬の作用機序

  • 神経細胞の過剰興奮に関わる電位依存性NaチャネルやT型Caチャネルの抑制→他の抗てんかん薬はClチャネルに働く(ガバペンチンはCaとGABA取り込み促進作用と考えられているが)
  • 興奮性神経と抑制性神経のアンバランスの是正
  • フリーラジカル除去作用による神経保護効果

薬用量

エクセグランの場合はヒトのデータの外挿で以下の用量がいわれている

動物種 薬用量 注意項目
2-4mg/kg BID
2-4mg/kg SID
mg/kg

コンセーブの用量

  • Max10mg/kgまで
  • 初回投与量は2.5-5-mg/kgを 1 回量とし、1 日 2 回(猫は半減期より一日一回でいいと考えられる)
  • 捕捉的だが2006年に Podell 氏が行ったフェノバールからゾニサミドへ変更する際のプロトコールの報告があり、国内でも同様の報告がされている


体重 

25mg 錠 

100mg 錠 

用量 (mg/kg/回) 

1.25kg 以上~2.5kg 未満 

1/4 錠 


2.5~5.0 

2.5kg 以上~5kg 未満 

1/2 錠 


2.5~5.0 

5kg 以上~10kg 未満 

1錠 


2.5~5.0 

10kg 以上~20kg 未満 


1/2 錠 

2.5~5.0 

20kg 以上~40kg 未満 


1錠 

2.5~5.0 

40kg 以上~80kg 未満 


2錠 

2.5~5.0 


    • 有効血中濃度は明らかになっていない--Geshtalt (トーク) 2016年1月4日 (月) 14:54 (JST)

注意事項

  • スルフォンアミドに過敏症をもつ個体には禁忌
  • 犬に催奇形性物質として働く(てんかん発作もちの個体は繁殖に供さない)
  • フェノバルビタールはP450を誘導するため、併用する場合ゾニサミド自体の用量を増やさなくてはならない(出典:J-vet 2009.12 p3)

毒性

代謝

半減期

15時間
33時間

よって犬はBID、猫はSIDでよいと考えられる。

排泄

  • 8割尿中
  • 2割糞中

LD50

1000mg/kg

抗てんかん薬はBIDかSIDか?(出典:J-VET 2009.12 P9)

  • 犬でゾニサミドを5mg/kgでBID投与しているものを10mg/kgに増やしSIDで投与した場合血中濃度のピークは倍になるため副作用が表れやすいと考えられる。よってBIDで投与を推奨する。
  • 個人的な考えだが、有効血中濃度は個体差があるため倍量でSIDにして支障がでるから投与してみるまでは分からない。--Geshtalt (トーク) 2016年1月4日 (月) 15:03 (JST)

その他