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「グラム陰性以外まとめ」の版間の差分
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2017年4月11日 (火) 11:16時点における最新版
目次
グラム陽性通性嫌気性および好気性球菌
スタフィロコッカス属(ブドウ球菌)
- ブドウの房状の集塊を形成する ・5~10%の食塩を含む培地でも増殖可能(食塩耐性)
- カタラーゼ陽性 ・最も病原性の強い菌種はコアグラーゼ陽性の黄色ブドウ球菌である
- コアグラーゼは血漿を凝固させる酵素でS.aureus、S.intermedius、S.hyicusが産生する
- S.aureus
- 細胞壁にプロテインAを含み、これはIgG(IgG2を除く)IgA2、一部のIgMのFc部分と非特異的に結合する ・ファージによって型別分類される
- MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
- 産生されるエンテロトキシン(腸管毒)は耐熱性 ・産生されるβ溶血毒は温冷溶血を示す
- S.aureus
ストレプトコッカス属(レンサ球菌)
- 連鎖状の配列をしているが、菌種により双球状のものもある ・カタラーゼ陰性
- 分類の方法の一つにLancefieldの血清型分類がある
エンテロコッカス属(腸球菌)
- 人や動物の腸管内にする常在する ・VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)
- 6.5%NaCl耐性、胆汁酸耐性、45℃での発育の性状がレンサ球菌と異なる
グラム陽性芽胞形成桿菌
バシラス属(好気性有芽胞菌
- 好気性ないし通性嫌気性 ・芽胞として土中に存在する ・セレウス菌は食中毒を起こす
- 普通寒天培地上で好気培養にて良好に発育する ・芽胞はMoller染色法により赤く染まる
- 炭疽菌(B.anthracis)
- 病原因子は莢膜形成能、プラスミド支配による3種の外毒素、防御抗原(PA)、致死因子(LF)、浮腫因子(EF)からなる毒素産生能である。そのうち発症に最も重要なのは防御因子(PA)である
- 生体内で莢膜を形成する ・ウシのほうがブタより急性敗血症で死亡しやすい
- 診断法には莢膜染色、アスコリテスト、パールテスト、ファージテスト(発育阻止試験)がある
- 炭疽菌(B.anthracis)
クロストリジウム属(嫌気性有芽胞菌)
- 偏性嫌気性
- 菌体内に芽胞を形成する
- 多くの菌種は外毒素を産生する
- 破傷風菌とボツリヌス菌は神経毒を産生する
- C.chauvoei、C.septicum、C,perfringens、C.novyiはガス壊疽菌群(α毒素産生性)に含まれる
- ウェルシュ菌(C.perfringens)
- 腸管毒素(エンテロトキシン)を産生する ・食中毒を起こす
- 主要な毒素はレシチナーゼ(α毒素)である
- ウェルシュ菌が産生するレシチナーゼは抗毒素によって中和される
- 卵黄寒天培地ではレシチナーゼによって培地が白色化する(乳光反応)
- ボツリヌス菌(C.botulinum)
- 腸管内で増殖する
- 神経毒による呼吸麻痺を起こす
- ボツリヌス毒素は末梢神経に作用し、神経伝達物質の遊離を阻害することにで弛緩性麻痺を起こす
- 破傷風菌(C.tetani)
- 神経毒を産生する
- 毒素は中枢神経に作用し、強直性麻痺を起こす
グラム陽性無芽胞形成菌
リステリア属
- 通性嫌気性であるが、やや微好気性 ・25℃前後で培養すると4本の周毛性鞭毛を発現し、
運動性を示すが、37℃培養では運動性はほとんどみられない ・発育温度域は0~45℃
- 人獣共通感染症
- リステリアに感染したウサギは単球増加症がみられる
- 腸管内に病巣を作る
- 反芻獣に化膿性脳炎を起こす
- 細胞内寄生菌
- 食塩耐性菌
エリシペロトリックス属(豚丹毒菌)
- E.rhusiopathiae
- E.rhusiopathiaeのみ病原性を有する ・莢膜様構造物は病原性と関連する
- ゼラチン高層培地に穿刺培養するとブラシ状に発育する ・非運動性
- ペニシリン感受性 ・病変部から血清型1a、1b、2型が分離される
- 豚だけでなくヒツジ、イノシシ、鳥類などにも感染する ・敗血症を起こす
放線菌関連菌
コリネバクテリウム属
- 牛の尿路コリネバクテリウムはC.renale、C.cystitidis、C.pilosumの3菌種で全て線毛を持つ
- 病原性の強さはC.renale>C.cystitidis>C.pilosumの順
- 膀胱炎や腎盃腎炎を起こす
- C.pseudotuberculosisはヒツジ、ヤギに仮性結核を起こす
- 通性嫌気性
- C.renale
- 黄色ブドウ球菌と共同溶血作用(CAMP反応)陽性を示す
マイコバクテリウム属
- 抗酸性とは塩基アニリン色素で加温染色した後、酸アルコールによる脱色に強い抵抗性を示す性質
- 病原性を示す抗酸菌の発育には2週間以上の時間がかかる ・好気性
- M.tuberculosisは人、サル、犬、オウムに感染し、結核を発症させる
- M.bovisは牛、鹿、モルモットに感染し、結核を発症させる ・Runyonによって分類された
- ヨーネ菌(M.avium subsp.paratuberculosis)
- マイコバクチン合成能力を欠くため培地に他の抗酸菌の死菌体かアルコール抽出物を加える必要がある ・反芻獣に結核(ヨーネ病)を起こす
アクチノマイセス属
- 通性嫌気性だがA.bovisやAisraelliは微好気性から嫌気性
- 人や動物の口腔、生殖器における正常細菌叢を構成する
- A.bovisは牛の下顎部などの硬部組織に化膿性増殖性の肉芽腫を作る
- 鏡検すると菊花弁状構造rosetteとして観察される
- アクチノバチラスは牛の舌などの軟部組織に化膿性肉芽腫を作る
アルカノバクテリウム属
- 好気的条件で発育するが速度は遅い ・β溶血性、蛋白分解性を示す
- A.pyogenesは豚の臓器や皮下に腫瘍を作る
ノカルジア属
- 無芽胞
- 菌糸を形成する
- 培養集落は培地に食い込む
デルマトフィルス属
- 通性嫌気性菌
- 培地は灰白色から黄色に変化する
- フィラメント状の菌糸を形成する
ロドコッカス属
- 好気性桿菌で抗酸性を示す
- 莢膜を持つ
- R.equiのホスホリパーゼCはequi因子と呼ばれ、相乗溶血作用をもつ
- マイコプラズマ
- 細胞壁を欠き、ペプチドグリカンを合成できない ・病原性は弱い
- ある種のマイコプラズマは菌体表面に莢膜様物質を持ち、宿主細胞への付着に関与する
- 細胞質内は無構造または微細顆粒状で、ゲノムおよびリボゾームの他に小器官は認められない
- ある種のマイコプラズマは菌体長軸の末端にblebと呼ばれる構造物を持ち宿主付着に関与する
- ウレアプラズマのみウレアーゼを産生して尿素を分解する
- 培養にステロールを必要とするがAcholeplasmaales目はステロールを必要としない
- マイコプラズマの同定には発育阻止試験や代謝阻止試験が多く用いられる
リケッチア属
- リケッチア
- 偏性細胞内寄生性
- リケッチアは節足動物に媒介されて疾病を起こす
- マキャベロおよびギメネツ染色により赤色に染色される
- テトラサイクリン系抗生物質が有効である
クラミジア属
マキャベロおよびギメネツ染色法で染色する
真菌学
- 子嚢菌門、担子菌門、壷状菌門、接合菌門は有性生殖
- 日和見感染や菌交代症を起こす
- 皮膚真菌症の診断として10~20%苛性カリ(KOH)標本による直接鏡検法がある
- 皮膚糸状菌
- 皮膚糸状菌症を起こすのはEpidermophyton、Microsporum、Trichophytonの3菌属である
- 皮膚糸状菌
- マラセチア
- 酵母様真菌
- ガラレットから娘細胞を産出する
- マラセチア
- カンジダ
- 酵母様真菌
- カンジダ
- クリプトコックス
- 酵母様真菌
- 莢膜を形成する
- クリプトコックス
- アスペルギルス
- フィアロ型分子を形成する
- 真性菌糸から分生子柄が伸長し、その先端には頂嚢を持つ
- アスペルギルス
- コクシジオイデス
- 2相性(2形成)真菌
- コクシジオイデス
- ブラストミセス
- 酵母様真菌
- 2相性(2形成)真菌
- ブラストミセス
- ヒストプラズマ
- 2相性(2形成)真菌
- ヒストプラズマ
好気性菌
・バシラス属
・マイコバクテリウム属
・ノカルジア属
・ロドコッカス属
・ストレプトマイセス属
嫌気性菌
・クロストリジウム属
通性菌
・スタフィロコッカス属
・ストレプトコッカス属
・エンテロコッカス属
・リステリア属
・エリシペロトリックス属
・コリネバクテリウム属
・アクチノマイセス属
・デルマトフィルス属
神経毒を産生する菌
- C.tetani
- C.botulinum
グラム陽性桿菌
・バチラス属
・クロストリジウム属
・リステリア属
・エリシペロトリックス属
・コリネバクテリウム属
・マイコバクテリウム属
・ロドコッカス属
莢膜を有するグラム陽性菌
- 炭疽菌
- ロドコッカス属
線毛を保有する菌
- 牛尿路コリネバクテリウム3菌種
敗血症を起こす菌
- 炭疽菌
- E.rhusiopathine
偏性細胞内寄生菌
- リケッチア
- クラミジア
- ローソニア
相乗溶血作用を示す菌の組み合わせ
- Listeria monocytogenes + Rhodococcus equi(?)
- Corynebacterium pseudotuberculosis + Rhodococcus equi
- Corynebacterium renale + Staphylococcus aureus
- Streptococcus agalactiae + Staphylococcus aureus(?)
2相性真菌
- ブラストミセス
- ヒストプラズマ
- コクシジオイデス
- スポロトリクス