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アルブミン製剤
提供: 獣医志Wiki
アルブミン製剤は5% 20% 25%の製剤が販売されている。人の献血から集められた血液からアルブミンを抽出されて作られている。
アルブミンは脂肪酸、Ca、薬の運搬で重要な役割をもっている。また循環血液量の維持においても重要。
- 血清アルブミンが1g/dl低下すると、血清Caは1.0~1.5mg/dl低下する
- 血清アルブミンを0.5g/dL上昇させるためには以下の量が必要になるため適時計算してください。
- 5%アルブミン製剤の場合 →22.5ml/kg
- 20%アルブミン製剤の場合→ 5.6ml/kg
- 25%アルブミン製剤の場合→4.5ml/kg
- 10キロの犬でPCV20でアルブミンが2g/dlの場合
- 10kg×80ml→血液量(体重×80mlででる数値は仮想だけど)
- 800ml×(1-02)→640ml
- 640ml×2g/dl→12.8g/dlのアルブミンが存在する(血管内に。実際はリンパや細胞外液にも存在するため12.8×3 g/dlのアルブミンが存在する)
- 10キロの犬でPCV20でアルブミンが2g/dlの場合
薬品名
商品名
適応
albが2g/dl以下になった場合に使用
- アミロイドーシス
- 肝不全
- 蛋白漏出性腸疾患
- 栄養失調
- 糸球体腎炎
薬の作用機序
薬用量
半減期が大体1週間(動物実験で確認されている)
動物種 | 薬用量 | 注意項目 |
---|---|---|
犬 | … | |
猫 | mg/kg | 猫のアルブミン製剤使用経験が少ないのであまり正確ではないです |
… | mg/kg | … |
- 動物種ごと
- 各動物種の補足事項
注意事項・副作用
- 心臓が悪い症例には使用注意→膠質浸透圧があがり負荷があがる。どうしても使用しなければならない場合5%製剤をかなりゆっくり投与する。3時間ごとにSPo2の計測を勧めます。
- 実際問題低アルブミン血症時どうしても補正しなければらちがあかないケースは絶対にある。ただこの点においては必ずオーナーにインフォームすべきで使用も禁忌であることである事は伝える。
- 体感的に4頭に1頭はなにかしら弊害がでている気がする
毒性
代謝
その他
低アルブミン血症時腎不全に移行しないよう注意する。特にフロセミドが効きにくくなるため注意(輸送蛋白としてのアルブミンが少ない+原尿現象でヘンレ係蹄へ作用しにくい)
アルブミン製剤の適正使用 一般社団法人日本血液製剤協会 You must enable the 'Allow JavaScript from Apple Events' option in Safari's Develop menu to use 'do JavaScript'. |
京都大学から発行されているよく分かるアルブミンはとても参考になりました。