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「てんかん」の版間の差分

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(夜間救急での対処法)
(検査)
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*てんかんが起こっているときは酸素消費量が高いため酸素化推奨
 
*てんかんが起こっているときは酸素消費量が高いため酸素化推奨
  
== 検査 ==
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'''切迫した救急時'''に行うべき事は太字にしている。
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ジステンパーのワクチンを打っているか
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*若齢の場合'''低体温・低血糖'''・低カルシウムを除外しておく。またアンモニアで神経が障害を受けていないか(門脈シャント等)を気にかけておく(ヨーキー、シーズー、マルチーズ等。また北野はトイプーも念のため。体格が月齢に反して小さい時は疑う)
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*意識の有無を確認する。脳が全体的に過剰興奮しているときは意識がない可能性がある、加えて過剰な神経興奮は神経細胞を障害する事が多いので早期に発作を抑制しなければならないと判断する。
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*眼球の揺れの特性をみる。両目か片側か・対光反射あるどうか、また発作は起きているのに眼球に影響が起きていないのはなぜか
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*発作の引き金になっている基礎疾患や症状がないか
 
=== 最低限の血液検査 ===
 
=== 最低限の血液検査 ===
 
*CBC
 
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== [[:Category:抗てんかん薬|抗てんかん薬(英:AntiEpilepticDrug)AED]] ==
 
== [[:Category:抗てんかん薬|抗てんかん薬(英:AntiEpilepticDrug)AED]] ==
 
詳しくは [[:Category:抗てんかん薬]]を参照
 
詳しくは [[:Category:抗てんかん薬]]を参照

2015年3月18日 (水) 14:27時点における版

本サイトでは癲癇と記述せず「てんかん」と表記を統一させる。

てんかん(英:Epilepsy)
脳の神経ネットワークがなにかしらの影響を受け意識でコントロールできない痙攣や意識障害が起こることである。
  • 混乱しやすい言葉
    • 発作:時間的な観点から「突然起こる症状」を指す。病気の程度を意味していない(心臓発作とか)
    • 痙攣:筋肉の無意識の収縮。
    • チック:なお「人のチック」とは全くの別物である。ライム病感染源のチック(Tick=ダニ) とも違う。帯広畜産大学では畜大虫と言ってぶゆをチックと言っている。

夜間救急での対処法

How to Calm an Agitated Dog With Canine Epilepsy Pet Health - YouTube from Tim Jones on Vimeo.

  • できればオーナー来院時「いつから(When)どれくらいの時間(HowLong)、どれくらいの間隔(HowOften)で発作が起こっていますか?」と「初発か否か、基礎疾患の確認」を聞く。
    • AEDが必要かの判断材料と症状の程度を知ることができる。重度かどうか、症状が集中しているかどうか、重積しているかどうか、症候性なのかどうかを臨床症状を踏まえて判断する。
  • てんかんの症状であるのかの診断(下記の診断を参照)をするべきだが、重積している場合死亡することもあるため発作を抑えることを第一優先したほうが経験上よかった。
    • 留置入れれる→通常通り治療
    • 留置入れれない(発作で動きまくってる場合)
      • イソフルランを吸わせる。呼吸状態みながら発作が2割位に治まったら酸素のみに切り替えて留置セット
      • ベンゾジアゼピンの鼻腔内投与→鼻腔粘膜が初回通過効果受けず
      • ベンゾジアゼピンの直腸内投与→教科書に書かれています。


  • てんかんが起こっているときは酸素消費量が高いため酸素化推奨

診断

切迫した救急時に行うべき事は太字にしている。 ジステンパーのワクチンを打っているか

  • 若齢の場合低体温・低血糖・低カルシウムを除外しておく。またアンモニアで神経が障害を受けていないか(門脈シャント等)を気にかけておく(ヨーキー、シーズー、マルチーズ等。また北野はトイプーも念のため。体格が月齢に反して小さい時は疑う)
  • 意識の有無を確認する。脳が全体的に過剰興奮しているときは意識がない可能性がある、加えて過剰な神経興奮は神経細胞を障害する事が多いので早期に発作を抑制しなければならないと判断する。
  • 眼球の揺れの特性をみる。両目か片側か・対光反射あるどうか、また発作は起きているのに眼球に影響が起きていないのはなぜか
  • 発作の引き金になっている基礎疾患や症状がないか

最低限の血液検査

  • CBC
  • BUN
  • NH4
  • Glu
  • Ca

抗てんかん薬(英:AntiEpilepticDrug)AED

詳しくは Category:抗てんかん薬を参照

治療

犬のてんかん治療

猫のてんかん治療

禁忌

フェノチアジン誘導体は禁忌

アセプロマジンなど 脳幹毛様体賦活系の抑制、CNS のドパミン作動性神経の拮抗により、気持ちを落ち着かせ、運動を抑制。一見理にかなっているようであるが、てんかん発作の閾値を下げるため禁忌。

その他

実験動物学ではスナネズミがてんかんのモデル動物

てんかん発作の前兆がなにかないか聞いておく

Canine Partial Seizure (excerpt) from Charley Lhasa on Vimeo.