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骨髄と血液:病理学

2014年12月27日 (土) 03:15時点におけるGeshtalt (トーク | 投稿記録)による版

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  • 先天異常 [#k7307988]
    • 赤血球 [#gd9dbd91]

-ポルフィリン症porphyria(イソメラーゼ欠乏)

ポルフィリン症|(ウシ、ブタ、ネコ)ヘモグロビン生成に必要なイソメラーゼの欠乏に起因しポリフィリンI型が大量に産生。骨、骨髄に色素沈着(淡~暗褐色)し、紫外線で強い赤色蛍光。歯の象牙質に沈着=ピンク色。ウシで光線過敏性皮膚炎を起こす。

++牛→常染色体劣性遺伝 ++猫、豚→常染色体劣性遺伝 ++ポルフィリン1型 ++赤色蛍光(紫外線下) ++ピンク歯 ++光線過敏症皮膚炎(牛) -赤血球膜蛋白異常症(バンド3欠損)

赤血球膜蛋白異常症|(黒毛和種)特徴:溶血性貧血、黄疸。球状赤血球の多数出現。赤血球膜の脆弱。原因:赤血球膜蛋白のバンドIIIの欠損。

++黒毛和牛→常染色体性不完全優性遺伝 ++溶血性疾患

    • 白血球 [#m49a877e]

+チェディアック東症候群(Chediak-Higashi syndrome)(一次リソソーム障害) ++常染色体性劣性遺伝 ++人、牛、ミンク、マウス ++一次リソソームと食胞との融合障害(巨大リソソーム顆粒) --被毛はアルビノを示し淡色。 --羞明。易感染性で短命。 --白血球、組織細胞に大きなリソソーム顆粒。

+牛白血球粘着不全症(BLAD:bovine leukocyte adhession deficiency syndrome)(βインテグリン欠損→インテグリンは白血球の血管への接着因子) ++ホルスタイン種 ++常染色体単純劣性遺伝 --白血球は炎症メディエーター(ex:ヒスタミンなど)→炎症性充血→白血球が辺縁に近づき、回転する(ローリング)、接着、扁平化して偽足を出す、遊出する過程を経るために接着するインテグリンが必要となる。 --免疫不全症。口腔内潰瘍、重度の発育不良、白血球の異常増多など。


    • 血小板 [#v853c7dd]

血友病 -(ヒト、ウマ、イヌ、ブタ、実験小動物、鳥類)血液凝固機構の異常。 -一昔前は女性の血友病患者はいないとされていたが、実際は男女ともに血友病になる可能性がある。

  • 増生と退縮 [#yfc4f1da]

+骨髄低形成:骨髄機能減退。全域にわたる脂肪化、膠様萎縮。組織学的には造血領域は脂肪細胞で置換 ++骨髄無形成(全骨髄病症、再生不良性貧血) ++汎骨髄癆 +骨髄機能障害汎:汎骨髄疣とも呼ばれ、貧血、顆粒球減少、血液凝固不全、出血性素因を示す。骨髄は膠様(膠様髄)、半流動状となり、しばしば二次的細菌感染の原因となる ++再生不良性貧血:ベンゾール、アニリン誘導体中毒、放射線障害、カビ中毒などによる赤血球、血栓の凝血系障害 ++放射線障害:造血細胞の壊死 ++白血球減少症:猫汎白血球減少症、ウシのワラビ中毒、トリクロールエチレン処理大豆粕中 毒、抗生物質の連用でみられる ++溶血性貧血:砒素、鉛、銅、塩化物、レプトスピラ、ピロプラズマ、アナプラズマ、伝貧、タマネギ中毒などによる。血色素血症、溶血性黄疸、血色素尿症などをともない有核赤血球や網状赤血球が出現。 ++鶏貧血性ウイルス感染症:骨髄の障害。骨髄黄色化、リンパ性器官の萎縮、肝の退色と肥大。 +顆粒球減少症 ++白血球減少症 ++血小板減少症 +鶏貧血ウイルス感染症(チルコウイルス DNA)

  • 変性 [#udcce129]
    • 貧血 [#q4a1090e]

+再生性貧血(末梢赤血球の減少) ++免疫介在性溶血 +++補体介在性赤血球溶解 +++自己免疫性溶血性貧血(AIHA) +++同種免疫性溶血性貧血 ++感染性 +++ヘモバルトネラ症 +++アナプラズマ症 +++バベシア症 ++赤血球膜の異常(先天性、後天性) +非再生性貧血(骨髄赤芽球系の再生障害) ++栄養欠乏性貧血 +++鉄欠乏性貧血 +++銅欠乏性貧血 ++再生不良性貧血 +++骨髄多能性幹細胞の障害 +++特発性、続発性、薬物・中毒性 ++感染性 +++FeIV +++エールリヒア症(Ehrlichia canis)

    • 赤血球増加症 [#a5a0c9d1]

+真性→赤芽球腫瘍性増殖 +二次性→エリスロポエチン産生(腎臓で産生)

    • 骨髄線維症 [#m029890a]
    • 出血性素因 [#u4e743f9]
  • 骨髄炎 [#n9ecfc82]
  • 多発性骨髄腫 [#id70c865]

寛骨のパンチアウト像がX腺像で見られる。

  • ミンクアリューシャン病 [#f77c45a6]

遺伝的素因:アリューシャン遺伝子(アリューシャン遺伝子をホモにもつ動物はchediak-Higashi syndromeももっている)(劣勢・ホモ)+パルボウイルス(ミンク腸炎とは関係のない型のウイルス!) +形質細胞増生・浸潤→高ガンマグロブリン(IgG)血症→以下の免疫複合体→4型アレルギー +血管炎 ←免疫複合体/アレルギー性炎 +管内胆管増生・拡張 ←免疫複合体/アレルギー性血管炎 +糸球体腎炎 ←免疫複合体沈着 +腎間質線維化 ←免疫複合体/アレルギー性血管炎 +非化膿性軟膜炎 ←免疫複合体/アレルギー性血管炎 -肝臓 --管内胆管増生・拡張 --形質細胞増生

  • 変性 [#i248a906]
    • (1) 貧血 [#s32b3165]

-a. 再生性貧血 --骨髄での赤芽球系成熟過程には問題がなく末期における破壊亢進、寿命の短縮、貧血が原因。破壊原因:免疫介在性の溶血、ハインツ小体、バベシア症、ヘモバルトネラ症、赤血球膜異常。 -b. 非再生性貧血 --骨髄赤芽球の低形成による。感染性(猫白血病ウイルス)、腫瘍性、薬物性、骨髄癆性(骨髄での白血病細胞増殖)、栄養欠乏性(鉄欠)、慢性栄養性、内分泌性がある。 -c. 免疫介在性貧血 --赤血球表面の自己抗原あるいは薬物や微生物抗原に向けられた抗体の付着による赤血球の破壊。大球性低色素性貧血、網赤血球増加、球状赤血球症。直接クームス試験...赤血球表面の抗体を検出。 -d. 再生不良性貧血 --非再生性貧血で、抹消血において汎血球減少症を伴う。 --また、骨髄における全系統の低形成または無形成を示す。骨髄は脂肪髄または線維化を示し、造血細胞の著名な減少。 --原因:先天性、薬物、中毒性(牛のワラビ中毒、犬のエストロジェン中毒、フェニルブタゾン中毒)、放射線性、感染性(FeLV、犬のエールリヒア症)などがある。

    • (2) 赤血球増加症 [#c4fc155b]

脱水や脾臓収縮による相対的赤血球増加以外の赤血球数の増加

    • (3) 骨髄線維症 [#p7f2cccf]

骨髄の線維化。障害を受けた骨髄の変化の最終段階。非腫瘍性変化。末梢血における幼若顆粒球および赤芽球の出現。肝・脾における骨髄様化生。

    • (4) 特発性血小板減少性紫斑病 [#vc615bbe]

血小板の免疫介在性破壊。出血性素因とされる。

  • 骨髄炎 [#c454f030]

骨髄腔に炎症が及ぶ。細菌感染が原因(1.複雑骨折による創面からの進入。2.関節や周辺組織の感染からの波及。3.遠隔の感染巣からの血行性感染。) -ex) --豚でActinomyces pyogenesによる椎骨の骨髄炎 --牛でA. bovisによる頚骨の骨髄炎 -患畜骨の特徴所見 --不整腫大、壊死、部分欠損、微小膿瘍形成、排膿を伴う瘻管形成など。

  • 白血病 [#q593791b]
  • 多発性骨髄腫 [#ode429c7]

形質細胞の腫瘍性疾患で、骨髄を中心とした形質細胞の増殖と、それに伴う免疫グロブリンの異常発生、骨融解などを特徴とする慢性疾患

  • ミンクのアリューシャン病 [#wacaadff]

免疫増生疾患あるいはアレルギー疾患。ミンク腸炎ウイルスとは異なる型のパルボウイルスによる。ウイルス感染が引き金となった形質細胞の増生が高マンガングロブリン血症を引き起こし、その結果、免疫複合体の沈着に関連したアレルギー性の血管病変が起こる。

  • 犬、猫のパルボウイルス感染症(犬パルボウイルス感染症、猫汎白血球減少症) [#d4621f25]

腸管における作用と全身感染としての作用があり、骨髄では造血細胞の低形成と髄索の水腫、また、リンパ系臓器では実質の低形成あるいは退行性変化と網内系の活性化が認められる。

最終更新: 2014年12月27日 (土) 03:15