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菌剤

176 バイト追加2015年2月8日 (日) 16:23
/* テトラサイクリン系薬剤 */
[[category:薬理学]][[category:細菌学]]
== 細胞壁合成阻害剤 ==
1)β‐ラクタム系:ペプチドグリカンの合成を阻害して細胞壁の合成を阻害する~=== β‐ラクタム系 ===* ペプチドグリカンの合成を阻害して細胞壁の合成を阻害する* 特徴は動物細胞に細胞壁はないので、高い選択毒性を示す、増殖中の菌には強い作用を示すが静止状態にある菌には効力が低い~ペニシリン、アンピシリン、セファゾリンなどがある~* ペニシリン、[[アンピシリン]]、セファゾリンなどがある
2)ホスホマイシン:アセチルグルコサミンの合成阻害により細胞壁形成を阻止する=== ホスホマイシン ===* アセチルグルコサミンの合成阻害により細胞壁形成を阻止する* 特徴は抗菌力が弱く、副作用が少ない点~
3)サイクロセリン:D-アラニンアナログで、ムレインペプチドのポリマー合成を抑える。特徴はアミノ酸代謝にも影響するので副作用が強い点~=== サイクロセリン ===D-アラニンアナログで、ムレインペプチドのポリマー合成を抑える。特徴はアミノ酸代謝にも影響するので副作用が強い点
4)バシトラシン:環状ペプチド抗生物質で、ペプチドグリカン合成におけるリピッドサイクルを阻害する。特徴はグラム陽性菌にのみ有効で、宿主の脂質代謝に影響し、副作用が強い点~=== バシトラシン ===環状ペプチド抗生物質で、ペプチドグリカン合成におけるリピッドサイクルを阻害する。特徴はグラム陽性菌にのみ有効で、宿主の脂質代謝に影響し、副作用が強い点
5)バンコマイシン:ポリマー形成を阻止し、モノマーの細胞質膜への輸送が阻害され、細胞質内にモノマーが蓄積して菌の発育を阻害する~=== バンコマイシン ===ポリマー形成を阻止し、モノマーの細胞質膜への輸送が阻害され、細胞質内にモノマーが蓄積して菌の発育を阻害するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対し、治療薬として用いられた~
== 蛋白質合成阻害剤 ==
1)アミノグリコシド系薬剤:70Sリボソームの30S粒子に結合し、蛋白合成初期段階を抑制する特徴は選択毒性を示す、聴覚障害、腎障害などの強い副作用をもつ~=== アミノグリコシド系薬剤 ===* 70Sリボソームの30S粒子に結合し、蛋白合成初期段階を抑制する* 特徴は選択毒性を示す、聴覚障害、腎障害などの強い副作用をもつ* カナマイシン群、ストレプトマイシン群、などがある~
2)クロラムフェニコール、チアンフェニコール:tRNAに結合した70Sリボソームの50S粒子に働き、ペプチド鎖の合成を阻害する~=== クロラムフェニコール、チアンフェニコール ===* tRNAに結合した70Sリボソームの50S粒子に働き、ペプチド鎖の合成を阻害する* 特徴は再生不良性貧血と骨髄機能障害などの強い副作用をもつ~
3)テトラサイクリン系薬剤:30Sリボソームに作用してアミノアシルtRNAがリボソームに結合することを阻害する。特徴は広い抗菌域を有すること。ミノサイクリン、ドキシサイクリンなどがある。マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア=== テトラサイクリン系薬剤 ===* 30Sリボソームに作用してアミノアシルtRNAがリボソームに結合することを阻害する。*特徴は広い抗菌域を有すること。(真菌以外すべて)*ミノサイクリン、ドキシサイクリンなどがある。マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア* 感染症の治療には欠かせない~*静菌的に作用*テトラサイクリンは消化管で金属イオンとキレート結合すると吸収されなくなる
4)マクロライド系薬剤:50Sリボソームに結合してアミノアシルtRNAがリボソーム上のA結合部位からP結合部位へ転位するのを阻害する。特徴は選択毒性を示す、副作用は少ない、グラム陰性菌に対する作用は弱い。エリスロマイシンやジョサマイシンなどがある~=== マクロライド系薬剤 ===* 50Sリボソームに結合してアミノアシルtRNAがリボソーム上のA結合部位からP結合部位へ転位するのを阻害する。* 特徴は選択毒性を示す、副作用は少ない、グラム陰性菌に対する作用は弱い。* エリスロマイシンやジョサマイシンなどがある
5)リンコマイシン:マクロライド系同様、50Sリボソームに結合し、蛋白合成を阻害する~=== リンコマイシン ===マクロライド系同様、50Sリボソームに結合し、蛋白合成を阻害する
== 核酸合成阻害剤 ==
1)DNA合成阻害剤:DNAジャイレースとトポイソメラーゼ=== DNA合成阻害剤 ===DNAジャイレースとトポイソメラーゼ?に作用してDNA合成を阻害するキノロン系のノルフルキサシンとノボビオシンがある~
2)RNA合成阻害剤:RNAポリメラーゼと結合し、その活性を阻害する。代表はリファンピシン=== RNA合成阻害剤 ===RNAポリメラーゼと結合し、その活性を阻害する。代表はリファンピシン特徴は動物細胞には影響は少ない、抗菌域は広いが耐性菌が出現しやすい。スピロヘータ、リケッチアには効かない~
3)ニトロフラン誘導体:DNAに作用し、DNAを崩壊する。フラゾドンなどがある。連用すると脳神経障害を起こし、発がん性もある~=== ニトロフラン誘導体 ===DNAに作用し、DNAを崩壊する。フラゾドンなどがある。連用すると脳神経障害を起こし、発がん性もある
== 補酵素阻害剤 ==
1)サルファ剤とトリメトプリム:細菌の増殖に必須なビタミンである葉酸合成を競合阻害する~=== サルファ剤とトリメトプリム ===* 細菌の増殖に必須なビタミンである葉酸合成を競合阻害する* 代表はサルファ剤とトリメトプラムを併用したST剤~* 特徴はサルファ剤とトリメトプラムを併用しないと効果が少ないこと~
2)その他:イゾニアチド、エチオナマイド、ピラジナミドはNAD生合成をニコチン酸の類似体として阻害する。特徴は薬剤の透過性の悪い結核菌にも有効~=== その他 ===イゾニアチド、エチオナマイド、ピラジナミドはNAD生合成をニコチン酸の類似体として阻害する。特徴は薬剤の透過性の悪い結核菌にも有効
== 細胞膜障害剤 ==
1)コリスチンとポリミキシンB:環状ペプチド抗生物質で、ステロールを含まないグラム陰性桿菌の細胞膜に作用する~=== コリスチンとポリミキシンB ===環状ペプチド抗生物質で、ステロールを含まないグラム陰性桿菌の細胞膜に作用する
2)抗真菌ポリエン抗生物質:ステロールを含む真菌の細胞質膜を障害する~=== 抗真菌ポリエン抗生物質 ===* ステロールを含む真菌の細胞質膜を障害する* 特徴はステロールを含まない細胞膜に作用しない、副作用が強い~* アムフォテリシンB、トリコマイシン、ナイスタチン、ペンタマイシン、ピマリシンがある~
== 外毒素と内毒素の比較 ==
== 薬剤耐性のメカニズム ==
:;交差耐性||:異なる薬剤でもその耐性のメカニズムが同じ場合、単一の遺伝子の変異で他の薬剤に対しても耐性になること
薬剤耐性のメカニズムには<薬剤不活化酵素>1次作用点(標的部位)の変化排出
== 薬剤不活化酵素の産生 ==
-;薬剤の不活化は、薬剤が分解、修飾されることで起こる
-薬剤分解酵素:;薬剤分解酵素>*β‐ラクタム環を有する薬剤(ペニシリン)>*βラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)>*セフェム系薬剤(セファロスポリン)>*βラクタマーゼ(セファロスポリナーゼ)
-;薬剤修飾酵素:>*アセチル化-アセチル基転移酵素>*リン酸化-リン酸基転移酵素>*アデニル化-アデニル基転移酵素 による修飾を受けて活性を失う
== 1次作用点(標的部位)の変化 ==
ビューロクラット管理者
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