- ラブラドール・リトリーバーの遺伝性筋障害 HLRM(Hereditary Labrador Retrievr myopathy
- 常染色体劣性遺伝病。多発性ニューロパシー、筋ジストロフィー、ミオトニー、遺伝性ミオパシーと呼ばれ、原因は不明。筋肉疾患と神経疾患の両方の特徴を持つため、どちらの原因かについて多くの議論がある。
臨床症状
- 症状発現年齢は多様であるが(6週~6ヵ月)、症状は通常3~4ヵ月齢で明らかとなる。
- 頭部を下げる(腹側屈曲)、筋虚弱、硬直した異様な歩様、背中の弓なり、運動時のウサギ跳び歩様
- 症状は寒い環境温度、運動あるいは興奮によって悪化するが、1歳齢で安定する傾向がある。
- 手根の過度の伸展、外反変形、偏平足
- 著しい筋萎縮(前肢や咀嚼筋)
- 罹患犬は明朗活発である。筋肉に痛みはなく、弱くはなっているが、意識固有受容感覚は正常。
- 脊髄反射は、軽度に罹患した犬でも通常低下あるいは欠如している。
- 吐出を引き起こす巨大食道症
- 腱反射は欠如もしくは減少する。
診断
- CK;正常か軽度に上昇する。
- EMG
- 筋生検
治療
状態が安定するまでは支持的な治療と寒冷環境を避けることが奨められる。
予後
- 臨床症状は6~12ヵ月齢で安定するので、これらの多くの犬は依然ペットとしての機能は果たしている。
- この疾患自体は致死的ではないため、予後はまずまずだが、犬は常に運動耐性が減少しており、作業犬としての能力はない。