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鼠径ヘルニア

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主に馬・豚・犬に発生し、反芻獣には稀。雄畜に多発。 【原因】先天性要因として内鼠径輪が広すぎることが挙げられる。後天性要因としては、怒責等 による腹圧上昇や、雄畜の交尾時の踏ん張りなどによる。去勢時に精索を過度に牽引す ると、術後の怒責により発生することがある。 【症状】先天性のものは嵌頓症状を伴わないのが普通。後天性のものの多くは、片側性で小腸・ 大網が多く、ヘルニアを生じた側の後肢を開帳して、外弧歩様を呈し運歩は渋滞する。 初期に確実に診断するには直腸検査が有効。ヘルニア内容が腸管の場合は腸閉塞の症状 を呈する。 【治療】先天性のものは自然治癒を待つ。圧迫により環納でき再発したものは予後不良。嵌頓ヘ ルニアは早期に手術し、同時に去勢を行う。

鼠径輪

鼠径周囲の解剖

陰嚢鼠径部のヘルニア