駆虫薬・殺虫剤:殺虫剤

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駆虫薬・殺虫剤

(1) 有機リン系殺虫剤

ジクロルボス(dichlorvos;DDVP) 

フォスフェート型リン剤で、強いACｈ阻害作用をもつ。害虫に対してp.o、s.c燻煙で有効。揮散のため、残効性は短い。

(2) カルバメート系殺虫剤

N*メチルカルバメートからなり、殺虫作用は有機リン系のものと類似して、ACｈEの阻害によっている。

解毒薬

硫酸アトロピン（PAMは無効、モルヒネ、サクシニルコリンは禁忌）

• カルバリル(carbaryl：NAC)
  • ニワトリサシダニなどニワトリの外部寄生虫に有効

(3) ピレスロイド系殺虫剤

• アレスリン(allethrin)
  • キクカルボン酸のアレスロロンエステルである。作用は極めて速効性。
  • ノックダウン効果と致死効果がある。

殺虫薬

成虫に作用	作用	対象	対応
有機リン系  マラチオン  ジクロボス  フェニトロチオン	不可逆的コリンエステラーゼ阻害薬	ノミ、ハエ、カ、アブ、ダニ →噴霧、薬浴、首輪、薫蒸	PAM+アトロピン
カルバメート系  カルバリン	可逆的コリンエステラーゼ阻害薬	ノミ、ハエ、カ、アブ、ダニ→散布、首輪	アトロピン
ピレスロイド系  アレスリン  ピレスリン	Naチャネル開口	ノミ、ハエ、カ、アブ、ダニ→散布、首輪、薫蒸	アトロピン ジアゼパム バルビツレート
フェニルピラゾール系  フィプロニル	GABA阻害	ノミ→皮毛に散布
幼虫に作用
ルフェヌロン	キチン質合成阻害→孵化・発育阻害	イヌノミ・ネコノミ 月１回、経口
メトプレン	幼弱ホルモン様物質→変態開始抑制	ノミ、ハエ幼虫→犬舎に噴霧

重金属拮抗薬

• ジメルカプロール（dimercaprol；BAL）
  • 蛋白の酵素のSH*基に結合した重金属をキレートする。
    • ヒ素
    • 水銀
• D*ペニシラミン（D*penicillamine）
  • アンチモン、タリウム、鉛中毒、銅中毒の治療に優れている。
• エデト酸二ナトリウム塩（CaNa2EDTA）
  • 鉛
• デフェロキサミン
  • 鉄

必須金属(微量金属元素)→欠乏しても過剰になっても生体機能障害が起こる

• 亜鉛
• コバルト
• セレン
• 銅
• マンガン

汚染金属→生体内にある程度蓄積されると中毒を起こす。

• 水銀
• カドミウム
• 鉛
• ヒ素