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自然毒食中毒
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目次
植物性自然毒食中毒
毒キノコ
食中毒の90%を占め、大部分がツキヨタケによるもので、死者の6割はドクツルタケによる。
ジャガイモ
発芽部と緑色部に多く含まれるソラニンというアルカロイド配糖体が原因。
- 呼吸中枢麻痒→腹痛,胃陽障害,めまい
育酸含有植物
- 未熟な青梅→アミグタリンという青酸配糖体
- 未熟なギンナンの種子→青酸配糖体
麦角(バッカク)
オオムギ、ライムギ、イネ科植物→エルゴクリスチン等のアルカロイドが原因。
- 吐き気、下痢、知覚異常、妊婦は早流産。
綿実油
ゴシポールというフェノール性化合物
動物性自然毒食中毒
フグ毒:致命率が高い
- 原因物質…テトロドトキシン(TTX)(毒力は卵巣・肝臓が強く、次いで腸、皮、精巣、筋肉。
- 加熱に耐性→加熱調理で中毒防止は不可能!
- 潜伏期問:4~6時間
- 症状:口唇・舌のしぴれ、知覚異常
- フグ以外でテトロドトキシンを有するもの→ボウシュウボラ(中腸腺),バイ(中腸腺),ツムギハゼ(皮,内臓,筋肉)
シガテラ毒
熱帯・亜熱帯の珊瑚礁周辺に生息する毒魚によって起こる、死亡率の低い食中毒。
- 代表魚→ドクカマス,バラフエダイ,カンパチ、サザナミハギ,バラハタ
- 原因物質→脂溶性毒素(シガトキシン,スカリトキシン)
- 水溶性毒素(マイトトキシン,シカテリン)
- 毒性は肝臓,内臓,精巣,筋肉の順に強い
- 潜伏期間→食後1~8時間
- 症状:下痢,嘔吐,関節痛.口唇付近のしぴれ,チアノーゼ,冷温感覚異常(ドライアイス・センセーション)
麻痺性貝毒
- 代表貝→イガイ,ホタテガイ,アサリ,アカザラカイ,ムラサキガイなどの二枚貝
- 原因物質→サキシトシン(水溶性)…申腸腺に蓄積性高い
- 潜伏期間→0.5~16時問
- 症状→麻痺(フグ中毒に類似)
下痢性貝毒
- 代表貝→麻痺性貝毒と同様二枚貝
- 原因物賓→オカダ酸(脂溶性)…中腸腺に蓄積性高い
- 潜伏期間→約4時間
- 症状→嘔吐,下痢,腹痛