北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
FeLV
FeLVまとめ表
病名 |
原因 |
伝播・疫学 |
症状(臨床・病理) |
診断・類症鑑別 |
予防・治療 |
重要事項 |
その他メモ |
和名: 猫白血病ウイルス感染症 |
和名: 猫白血病ウイルス(Retroviridae, Orthoretrovirinae, Gammaretrovirus),A,B,Cの3亜群 |
感染様式: 唾液・尿から排出されたウイルスによる水平感染, まれに垂直感染もあり得る。 医原性感染 |
臨床: 発熱・貧血・食欲不振・元気消失 リンパ肉腫によって型が分かれる(胸腺型、多中心型、消化器型) 主に持続感染猫に下記の多様な症状が発現 腫瘍性疾患:リンパ腫,急性白血病など リンパ造血系の退行性疾患:再生不良性貧血など 免疫介在性疾患:糸球体腎炎,免疫介在性溶血性貧血など |
診断: 血漿,血球,リンパ造血系組織からのウイルス分離。PCR。 |
予防: 室内飼育,抗原陽性猫の隔離。 不活化ワクチンおよびリコンビナントサブユニットワクチンの接種 |
1.猫白血病ウイルスを原因とし,リンパ腫と白血病に加えて,多様な疾患に関与 2.持続感染状態になった猫が発症し,多くは予後は不良 |
感染後,免疫系により排除される場合,ウイルス血症が続く場合(持続感染),および潜伏感染する場合がある。 潜伏期は不定。 発症した疾患により異なるが,疾患により予後不良予後 |
世界: 全世界 |
胸腺型: 腫大し、呼吸困難、嚥下困難、貧血 |
||||||
日本: あり |
多中心型: 全身リンパ節・腹腔内臓器、貧血 |
血清学的診断: 持続感染を証明するための血中ウイルス抗原検出:免疫クロマトグラフィー法,ELISA,蛍光抗体法。 抗体検出の臨床的意義は低い。 |
|||||
消化器型: 消化管・腸間膜リンパ節→嘔吐、下痢 |
|||||||
英名: feline leukemia virus infection(FeLV) |
英名: Retroviridae, Orthoretrovirinae, Gammaretrovirus |
宿主: 猫 |
病理: リンパ腫:発生部位にリンパ系腫瘍細胞からなる腫瘤形成 急性白血病:骨髄でのリンパ造血系腫瘍細胞の増生,脾腫,肝腫 |
類症鑑別: 発症した各疾患ごとに異なる。猫免疫不全ウイルス感染症との類似点がある。 |
治療: 各疾患に応じた対症療法 |