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内分泌腺:上皮小体

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上皮小体
甲状腺の2葉の極部に2対存在する器官。例外)ブタは1対 カルシウムとリン酸代謝に関わる。

(1) 構成細胞

主細胞
活発に上皮小体ホルモン(パラソルモン=PTH)を分泌しているとき
好酸性細胞
活動が少ない、変性しているとき

*分泌は、[血漿Ca2+]の低下で増加、上昇で減少、活性型Vit.D3により抑制される。

(2) 上皮小体ホルモン(PTH)の作用

  • 細胞外液のカルシウムを増加させる。
  • 直接的:骨芽細胞の骨形成を抑制、破骨細胞刺激因子放出 間接的:胃腸管でのCa2+代謝
    • 腎臓遠位尿細管におけるCa2+再吸収を促進
    • 近位尿細管におけるリン酸の再吸収を抑制
    • 腎臓での活性化Vit.D3の生成を促進

(3) ビタミンDの合成と代謝

  • Vit.D:プロVit.Dから紫外線照射によって生成されるステロール類。


* Vit.D3は肝臓と、腎臓の近位尿細管での水酸化を経て活性化され、1,25*ジヒドロキシコレカルシフェロール(=活性型Vit.D3 )となる。

  • 腎臓での水酸化は、以下の調節を受ける。
    • PTH
    • リン酸(PO4)
    • 活性型のVit.D3


(4) 活性型Vit.D3の作用

  • 腸上皮でのCa+吸収を促進
  • 腎臓でのCa+再吸収を促進
  • リン再吸収抑制
  • 骨吸収の促進
  • PTHの骨カルシウム代謝への効果を増大