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内分泌系:視床下部

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視床下部

  • 視床下部には神経細胞と内分泌細胞の両方の形態と機能を持つ神経分泌細胞と呼ばれる細胞群があり、これらが神経系と内分泌系を形態的、機能的に結び付けている。
  • 神経分泌細胞で合成されるホルモンの多くはペプチド型で、いずれも神経分泌細胞の長い軸策末端から血管内へ直接放出され、標的細胞に特異的作用を及ぼす。

(1) 下垂体前葉に影響を及ぼすホルモン

弓状核や、視索前野の小細胞性ニューロンで合成されたホルモンは、軸策中を流れて正中隆起部へ
→下垂体門脈の第一次毛細血管叢に放出され、前葉の類洞(二次毛細血管叢)に流入
→前葉ホルモンの分泌を促進または抑制する
☆視床下部ホルモンと呼ばれる

(2) 下垂体後葉に影響を及ぼすホルモン

オキシトシンとバソプレッシンの産生細胞体は室傍核と視索上核に密集
→大細胞性ニューロンの細胞体で合成されたホルモンは、軸索中を流れ、後葉の軸索終末に貯蔵
→神経終末が電気的に活動すると、終末からホルモンが分泌される
☆視床下部*下垂体経路とよばれる

(3) 視床下部〜下垂体フィードバック

  • 視床下部〜下垂体系からのホルモンにより放出される末梢内分泌腺からのホルモン量が多すぎると、視床下部*下垂体系の放出に対して抑制が起こる→フィードバック
    • ☆長環フィードバック:内分泌腺からのホルモンの視床下部〜下垂体系へのフィードバック
    • ☆短環フィードバック:下垂体ホルモンによる視床下部分泌の抑制
      • GHやPRLは標的内分泌腺を持たないので、主として神経性調節を受ける。又、視床下部には抑制性のホルモンもあるため(ソマトスタチン、ドーパミン)、適切な分泌が保たれる。