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伝染病学総論:細菌細胞

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各顕微鏡による観察の特色

a. 光学顕微鏡

油浸法による解像力は約0.15μmで、それ以下のものは観察できない。

暗視野法
暗視野集光器を装置して観察する方法で、暗黒の視野の中で菌体が光って見える。菌の運動を観察するのに便利である。
位相差顕微鏡
位相差対物レンズを装着して観察する方法で、コントラストが高まり生細胞内の構造を観察することができる。
蛍光抗体法
光源に紫外線を用い、蛍光色素で染色した被検体または蛍光色素で標識した抗体と総合させた被検体を観察する(紫外線顕微鏡による観察)。

                  

b. 電子顕微鏡

電子線の回折によって像を結ばせるために、その解像力は光学顕微鏡の100倍以上に達する。

透過型電子顕微鏡
細菌やウイルスの構造や微細構造を分子レベルで観察できる。
走査型電子顕微鏡
微細表面構造を立体的に幌察できる。
シャドゥイング法
最も一般的。被検体に金又はパラジウム等の重金属微粒子を斜方向から吹きつけて観察する方法で、検体の一方に影ができ、立体感を持ってみられる。
ネガティプ染色法
ウイルスや蛋白などの研究にもちいられる。リンタングステン酸、酢酸ウラニルなどの電子線不透過性の低分子性物質に被検体を混ぜて支持膜にのせ、観察する方法。電子線は被検体を透過するが、その周囲は透過できないために、被検体は黒い背景に白く抜けた像としてみられる。
超薄切片法
細胞の内部構造や組織の微細構造の観察に用いる.樹脂で固めた被検体を、クリスタルガラス破片又はダイヤモンドナイフで極めて薄く削り、重金属染色して観察する。