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仔ウシの中枢神経疾患

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子牛の中枢神経病を起こす機能不全または病変部位

  • 大脳
  • 小脳
  • 延髄
  • 脊髄

子牛の中枢神経病の分類と原因

  • 炎症
    • 非化膿性
      • ウイルス性
      • 原虫性:ネオスポーラー (胎児期感染)
    • 化膿性(細菌性)
      • サルモネラ、大腸菌、パスツレラ、ストレプト、緑膿菌など (生後感染)
  • 非感染性
    • 代謝性
      • Vit.B1 , Vit.A欠乏症、低血糖、高アンモニア
    • 奇形
      • ウイルス:アイノ、チュウザン、アカバネ、BVD (胎児期感染)
      • 植物:ギボウシ
      • 不明:アーノルドキアリ
  • 類似疾患:破傷風など
    • 低血糖症
      • 原因:エネルギー不足、寒冷感作
      • 症状:起立不能、乳熱様姿勢、横臥、遊泳運動、昏睡
    • 高アンモニア血症
      • 原因:下痢によるアンモニア吸収
      • 症状:昏睡
    • 破傷風
      • 原因:破傷風菌
      • 症状:筋肉の緊張・拘縮、強直性痙攣、瞬膜露出、木馬様姿勢、横臥、反弓緊張(後弓反張)、牙関緊急

子牛の中枢神経病の神経症状

  • 大脳症候群
    • 周囲に無関心な行動
    • 視力障害、あるいは減退
    • 無意識的な採食と飲水
    • ロボット様の歩様
    • 起立中に頭部を上下あるいは左右に振る
  • 脳圧症候群
    • 昏睡仮眠状態、うつろな目をして頭部下垂
    • 何かにもたれかかるか押し付ける
    • 自力起立可、動こうとしない
    • 追い立てても、のろのろとしている
    • 反弓緊張
    • 疼痛刺激に対する感受性の低下
    • 盲目
    • 不全麻痺
    • 前方への寄りかかり
    • 円運動
  • 小脳症候群
    • 肢を広げて起立
    • 失調性の歩様
    • 共同運動障害
    • 一カ所でじっとしている
    • 横に寝かせても頸を大きく振ってばたつく
    • 起立できない
    • 姿勢を保てない
    • 座臥できない、反復して転倒
    • 眼球震盪
  • 脳底症候群
  • 脳神経症候群
  • 脊髄症候群

ウイルス感染による中枢神経病の診断

  1. 臨床症状(病変の診断)
  2. ウイルス分離(病原の診断)
    • 初乳給与前に採材
  1. ウイルス抗体検査
    • 初乳給与前に採材
  1. おとり牛の抗体価の推移(集団発生)