差分

若い犬でも罹患する。

組織球性リンパ腫は、しばしば若齢グループ（平均4歳齢）でみられる。

7～12歳齢（FeLV陰性）

全身性のリンパ腫脹、肝臓・脾臓・骨髄への浸潤。

大多数の症例は臨床的に無症状であるが、何症例かは体重減少や食欲不振、沈うつなどの非特異的な臨床症状を示す。

X線では60～75％で異常が認められるため、必ず初診時に全身のX線撮影を行い、肺野のMass、直腸の腹側への変位などが認められないか調べる。これらは抗癌剤の効果を知る指標となりえる。

FeLV関連の腫瘍性疾患では、縦隔型リンパ腫が最も多い。

前縦隔リンパ節の腫脹。

細胞診ではリンパ芽球だらけ。

胃腸管への浸潤。腸の完全閉塞、腸管破裂、二次的な腹膜炎。

腹部触診での腫瘤、肥厚した腸（ループ）の触知。

リンパ腫の浸潤によって腸管で穿孔が生じた場合、腸管内ガスが腹腔内に漏れ、横隔膜と肝臓の間にフリーエアー（ガスによる透過性のライン）が認められることがある。この所見が得られたら、緊急オペによって腸間の穿孔部を切除しなければならない。

起源は皮膚であるが、これらは後に腹部臓器、リンパ節、骨髄へと転移する。

分類（両者ともT細胞性）

リンパ節や腹部臓器、骨髄や巻き込む多発性の皮膚病変から急性に拡大する、より侵襲的な疾患

猫で比較的一般的であり、臨床症状は通常両側の疾患による腎不全に関連。

猫では衰弱や蒼白（貧血症）がみられ、そして大きくて不均一な腎臓が触診できる。

腎型リンパ腫ではエコー下で細胞診を行う。

鼻汁やくしゃみなどの上部気道症状、そして時には鼻の変形などを引き起こす。

猫の鼻咽頭リンパ腫は、腎リンパ腫へ進行することがある。

眼と神経リンパ腫は、原発または多中心型と併発して起こる。

眼のリンパ腫は犬より猫で一般的であり、臨床症状は羞明、眼瞼痙攣、流涙症、前房出血、前房蓄積、眼の腫瘤、前部ぶどう膜炎、脈絡網膜関与または網膜剥離などに関連した症状を示す。

神経のリンパ腫は、孤立性またはび慢性で中枢または末梢神経系を巻き込んでいる。臨床症状はさまざまであり、麻痺や不全麻痺、跛行、筋肉の萎縮、中枢神経症状などがある。

高カルシウム血症（犬に多い）

単クローン性や多クローン性高ガンマグロブリン血症（犬に多い）

免疫介在性血球減少症、多発性神経障害、低血糖症

有用性

犬では90％、猫では75～80％で診断できる。

浅頚、膝下リンパ節

下顎リンパ節は避ける。例え、一番腫脹している部位が下顎リンパ節でも、それ以外から採取する。なぜなら、口内炎などが存在する動物（特にFIV陽性猫）では、リンパ節が腫脹し、リンパ球が活性化・大型化しているため、「リンパ節過形成症候群」を「リンパ腫」と誤診する可能性が高いからである。

ちなみに、猫ウイルス検査キットでFeLVは抗原、FIVは抗体を検出するため、FIV感染猫でも検査時が感染初期であればFIV（－）となり、リンパ節過形成症候群を見落とす可能性がある。

第一にFNBを選択する。

その理由として、以下のことが挙げられる。

リンパ腫などの孤立円形腫瘍は、組織同士の結合がないため、FNAのように吸引しなくても刺入した針の中に検査を実施するのに十分な細胞が入る。

染色前の固定：2～5分。可能であれば5分間実施。

リンパ芽球の絶対的増殖（＞25～30％）

リンパ腫

ALL（急性リンパ芽球性白血病）　　＊ 急性の場合、芽球様細胞が増殖する。

B細胞、T細胞由来の鑑別。

T細胞由来のリンパ腫の予後は不良。

実際、現在のところ明らかとなっていないことが多い。

貧血、白血球増加、好中球・単球・リンパ球増加、末梢血液中の異型リンパ細胞、血小板減少

Ⅰ　単一のリンパ節病変

Ⅱ　２つ以上のリンパ節腫脹　　＊猫の場合、横隔膜を隔てたどちらか一方

多剤併用化学療法（犬；１２～１６ヵ月、猫；６～９ヵ月生存）⇒治療しない場合は４～８週間

＊ B細胞型：多中心型。抗がん剤が効く。

大型犬

雄犬

一般的にリンパ腫とは低分化型（High Grade Lymphoma）を指すが、まれに、高分化型リンパ腫が存在する。

好発犬種

臨床症状

豊富な細胞質とアズール好性の細胞質顆粒を形態学的特徴とするリンパ球集団。

＊ 大顆粒リンパ球（LGL）；胸腺を通過しないで腸管の粘膜内で成熟する特殊なT細胞。犬ではその存在は不明なところが多いが、猫を含む他の動物ではよく調べられている。