北野成昭(キタノナルアキ) 作『獣医志Wiki』はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
カテゴリ:抗不整脈薬
Category:頻脈性抗不整脈薬についての一覧も参考にしてください
クラス |
作用機序 |
特徴 |
代表的な薬 |
クラス1 |
Na+チャネル抑制 活動電位の最大立ち上がり速度を低下させ伝導速度を遅くする。 リエントリー回路での活動電位の伝達速度はさらに低下し、結果リエントリーは消失。 さらに異所性自動能も抑制 リエントリ―:心室細動の原因 一度通り過ぎた興奮が逆戻りしたン時間に再び同じ場所を興奮させる。 |
1a 活動電位持続時間↑ 有効不応期 ↑ |
キニジン⇒房細動に使える。Ca2+チャネル遮断作用もあり心収縮力↓。αブロッカーなので降圧作用あり。キニーネの光学異性体 プロカインアミド:キニジンと似た作用を持つ。心収縮抑制はキニジンより弱い。体内消失が早く、一日に6回以上の投与が必要 |
1b 活動電位持続時間 有効不応期↓ |
リドカイン:虚血部の伝導を強く抑制しAPD,ERPともに↓。頻脈のときに作用が強まる。心室性頻脈やジキタリス中毒時の不整脈に使用されるが体内消失が速く30~60分ごとに投与するか、点滴注入が要求される。緊急時のみ フェニトイン |
||
1c 活動電位持続時間 有効不応期不変 |
フレカイニド |
||
クラス2 |
βブロッカー |
|
プロプラノロール:キニジン様作用(膜安定化作用) カテコラミンによる自動能亢進を抑制。 作用時間が短く4時間以内の反復投与が必要。 心不全や心ブロックが併発しているときに使用するのは危険 |
クラス3 |
K+チャネル抑制 |
活動電位持続時間、有効不応期延長 |
アミオダロン |
クラス4 |
Ca2+チャネル抑制 |
緩徐方反応を抑制 |
ベラパミル チルジアゼム 洞房結節や房室結節ではNa+チャネルは不活化していて活動電位の立ち上がりにはCa2+チャネルが関与している。 このため活動電位の立ち上がりが遅い(緩徐型反応) ベラパミルヤジルチアゼムはCa2+チャネルの開口を抑制するので洞房結節や房室結節での電導抑制効果が強い。 |
その他 |
ペースメーカー活動↑ 心拍数↑ 房室伝導を改善して房室ブロックを解消 |
|
アトロピン:ムスカリンR拮抗 イソプロテレノール:β興奮 洞性徐脈、重症房室ブロックなど使用 |
犬の抗不整脈薬
不整脈の種類 |
第一選択 |
第二選択 |
洞性徐脈 |
アトロピン |
イソプロテレノール |
房性頻脈 |
ジゴキシン |
プロプラノロール、プロカインアミド |
房粗動 |
||
房細動 |
プロプラノロール、電気的除細動、キニジン |
|
室性期外収縮 |
リドカイン |
プロカインアミド、キニジン |
室性頻脈 |
電気的除細動 |
プロカインアミト、リドカイン |
室細動 |
キニジン、リドカイン |
|
重症房室ブロック |
人工ペースメーカー |
アトロピン、イソプロテレノール |