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エチレングリコール
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目次
エチレングリコール
水に解けやすい二水素アルコール。車の不凍液等で使用され、甘みがあるため好んで動物が接触してしまい中毒を起こしてしまうことがある。 オーナーに「ガレージでなにかをぺろぺろ」「ラジエーター液の交換」などのキーワード投げかけてみる
エチレングリコール (ethylene glycol) は、溶媒、不凍液、合成原料などとして広く用いられる 2価アルコールの一種である。分子式は C2H6O2、分子量 62.07。IUPAC命名法では エタン-1,2-ジオール、あるいは 1,2-エタンジオール と表される。粘稠な無色液体で、水などの極性溶媒に溶けやすい。その性質に加えて融点が −12.6 ℃ と比較的低いので水冷エンジンなどの不凍液として用いられている。引火点 111℃、発火点 398℃で、消防法上の第4類危険物(第3石油類)に指定されている。(Wikipediaより引用)
LD
- 猫
- 2-4ml/kg
- 犬
- 4-5ml/kg
- 家禽
- 7-8ml/kg
中毒源
- 不凍液、エンジン冷却液
- 工業用溶剤
- 除錆剤
- カラーフィルム加工液
- 熱変換液
薬物動態
- 犬猫豚家禽などで中毒を起こす(不凍液を交換する時期{晩秋、初春など}に季節性をもつ→人の行動パターン)
吸収・分布
胃腸管から吸収 体に均一に分布する 接種後1−4時間以内に最大血中濃度に到達する
排泄
すべてのエチレングリコールは摂取後16-24時間以内に代謝または排泄される
- 血漿半減期は2-4時間
- 吸収されたエチレングリコールの大部分は4時間以内に代謝されずに尿中に排泄される
中毒発生メカニズム
- BBBを通過し麻薬性や高揚性の反応を起こす
- 代謝された中間物質がアシドーシスと腎障害を起こす
- グリコール酸→摂取後3-4時間以内におこる代謝性アシドーシスの主な原因
- シュウ酸陰イオン→Caと結合して「血管」と「尿細管内」にシュウ酸カルシウム結晶を形成→摂取後1-3日たってから(やや時差があるので注意)
- エコーで腎臓を診ると腎皮質全体が高エコー源性に見える(素人目にみても腎臓何かおかしいとこの時気づき毒物摂取履歴を再確認する必要性がある)
診断
臨床兆候
検査室診断
病変
治療
基本治療の対応が早ければ早いほどよい
解毒
活性炭による経口からの消化管内除去。四時間以内に行う必要がある。 四時間すぎてからやっても・・・効果をあまり感じません(管理人談)