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インスリン

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  • インスリンの混合する時に濃度勾配が温度と気圧で生じている事をオーナーに伝え、優しく転倒混和をするよう指示する。院内で点滴で入れる場合も同様である
  • インスリン療法を必要とするヒトの糖尿病患者のおよそ95%以上がヒト遺伝子組み換えインスリン製剤を用いている。ヒトの市場で需要が低下したため、動物由来インスリン製剤の製造は劇的に減少している。
  • ヒトの糖尿病においてインスリンアナログの評判が良い。短時間型の結晶型レギュラーインスリンよりも吸収および効果の発現が早く、作用の持続時間が短い。
  • 理論的には、ブタのインスリンは犬の糖尿病の管理に、ウシのインスリンは猫の糖尿病管理に適している。
  • レギュラーインスリンの作用発現までの時間はおよそ10~30分であり、作用時間は投与経路にもよるが3~10時間である。
  • インスリンを生食で希釈した場合、一般に作用時間は短くなる。しかし、いったん希釈したインスリンの作用時間は安定している。
  • インスリングラギン(ランタス)は特殊な酸性緩衝液に溶解されており、希釈できない。
  • 同じインスリンの投与量でも、1日目より3日目、3日目より7日目の方が血糖値曲線は低くなるため、インスリンの投与量を変更しても、インスリンの増減は最低1週間後に決める。

薬品名

インスリン

商品名

インスリングラルギン(ランタス)

  • ヒトの自然なインスリン分泌パターンに最も近くなるように作られている。
  • ヒトでははっきりとした活性のピークはないが、これはインスリングラルギンが比較的一定の割合で血液に放出されていることを意味している。
  • 投与後24時間にわたって効果的に血糖値を低く抑えると報告されているが、ある研究では1日2回の投与するのが最も効果的であると言われている。

PZI(PZI VET)

  • NPHよりもプロタミンを多く含み、作用の持続時間が長い。
  • 猫では長時間作用型インスリンと考えられていたが、血糖値を良好にコントロールするには1日2回の投与が必要。

ベツリン(Vetsulin)

  • 犬用および猫用インスリン製剤として唯一FDAで認可されているブタ亜鉛インスリンの懸濁液。
  • PZIやインスリングラルギンよりもピークに達する時間と作用時間が短いため、1日2回。

NPHインスリン(Novolin N)

  • 短時間作用型

適応

薬の作用機序

薬用量

Category:糖尿病を参考にしてください。

  • 高カリウム血症で使用する場合は0.5-1U/kg(インスリン1Uにつき50%Glu1g足して10%になるように調整する)で使用するが生理食塩水をCRIすることを勧める。
動物種 薬用量 注意項目
mg/kg
mg/kg
mg/kg
  • 動物種ごと
    • 鳥類はグルカゴン過剰症で高血糖になっている。またインスリンの生体での働きは不明な点が多い。そして糖尿病の症例の多くはクッシングを呈してミトタンが奏功する可能性があるため頭の片隅にいれておいてください。
    • 猫でジペプチジルペプチダーゼ4阻害薬(DDP-4阻害薬)がグルカゴンの現症とインスリン分泌促進で血糖値が減少する事があり、ベータ細胞を保持する目的でしようされている
    • 人では急性膵炎で未分化ヘパリンとインスリンを投与する治療法が報告されている。LPLの濃度が高くなるから良いらしいですが、興味のある先生は調べて報告してみてはいかがでしょうか?

注意事項

  • 動物種ごとに分けずに記載
  • 特定の動物種や品種におこる事象はその種類を( )で記載

毒性

代謝

まとめ表


製剤

作用発現時間

作用持続時間

短時間型

Humulin R

レギュラー

10~30分

3~10時間

Novolin R

レギュラー

 

 

Humalog

インスリンリスプロ

30~90分(ピーク)

5時間未満

Novolog

インスリンアスパルト

 

 

中間型

Humulin N

NPH

 

 

Novolin N

NPH

 

 

Vetsulin/Caninsulin

ベツリン

レンテ無晶性亜鉛インスリン(30%)

4時間(ピーク)

8時間

結晶性亜鉛インスリン(70%)

11時間(ピーク)

24時間

PZI VET

PZI

5~7時間(ピーク)

 

長時間型

Lantus

インスリングラルギン

2~4時間

16時間(ピーク)

20~24時間

Levemir

インスリンデテミル

 

 


外部リンク

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日本糖尿病学会 The Japan Diabetes Society