侵襲性に関わる因子
ヒアルロニダーゼ |
結合組織中のヒアルロン酸を分解 菌の組織侵入、拡散を容易にする |
Sta.aureus、Str.pyogenes(化膿レンサ球菌)、C.perfringens |
コアグラーゼ |
フィブリノーゲンを線維素に変えて血漿を凝固し、菌体表面を被覆 |
宿主の食菌、防御物質や薬剤から保護 Sta.aureus |
フィブリノリジン |
プラスミノーゲンを活性化し線維素を溶かし、 菌の侵入を容易にする |
Str.pyogenes |
コラゲナーゼ |
菌蛋白を分解し 菌の侵入を容易にする |
C.perfringens |
ストレプトドルナーゼ |
DNA分解酵素で白血球や組織細胞を溶解し、菌の侵入を容易にする |
Str.pyogenes |
ロイコシジン |
白血球の活性を阻害 |
Str.pneumoniae、Str.pyogenes |
アグレッシン |
感染組織中で菌が産生し、 宿主の抵抗性を弱める |
B,anthracis、P.multocida |
免疫抑制因子 |
抗体産生や細胞性免疫応答を抑制する因子を産生 宿主の免疫に抵抗 |
B,anthracis、E.coli、P.multocida |
抵抗性、粘着性、定着に関わる因子
因子 |
理由 |
作用 |
例 |
G+菌の細胞壁リポ多糖 |
補体にやられない |
血清抵抗性を持つ |
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線毛 |
幅4~8nm、長さ0.5~8μm蛋白(ピリン)からなる直細毛で菌体周囲に100~300本が密生 F(性)線毛⇒1~4本の比較的長い線毛で菌の接合時の雌雄細胞間吸着に機能 F抗原(線毛抗原)⇒線毛を構成する蛋白性抗原 100℃の加熱で不活化しホルマリン処理で抗原性の一部を失う |
宿主細胞への付着、体内侵入、定着 血球凝集性 |
E.coli B.bronchiseptica |
鞭毛 |
幅20~50nm、長さ10μm 細胞質膜に発し、基体およびフックを経て繊維状物として菌体外に伸びる 構成成分はフラジェリン(分子量3万~6万の蛋白質)⇒抗原性(H抗原:鞭毛を構成する易熱性蛋白で加熱、エタノール、アセトン処理で失活 H-O変異⇒有鞭毛菌が突然変異で鞭毛を失う |
生体防御からの回避機構 |
Salmonella |
芽胞 |
1.外層(外膜、芽胞殻(システイン)、ペプチドグリカン)2.内層細胞質:ジピコリン酸がCaと結合 脱水状態を保ち耐熱性を保持 エネルギーはグリセロール3リン酸の形で蓄えられる |
細胞外寄生 |
中央性:B.cereusu、B.anthracis 偏在性:C.septicum 端在性:C.tetani、C.novyi |
莢膜 |
細胞膜表面を覆うゲル状の粘性物質、複合多糖、d-グルタミン酸ポリマー、ヒアルロン酸などの成分は菌種によって異なる K抗原(莢膜抗原)⇒O抗原の表層を覆う V-W変異⇒K抗原のひとつである菌体表層の毒力に関係したVi抗原の脱落変異 |
食菌抵抗性、薬剤からの菌の保護 組織細胞への付着 菌相互の凝集 |
B.anthracis(ポリペプチド性莢膜:60Mdaプラスミド支配 肺炎レンサ球菌(多糖体莢膜) |
病原因子
プラスミド支配
- 腸管毒素原性大腸菌(ETEC)
- エンテロトキシン⇒易熱性LT:人、豚、耐熱性ST:家畜(豚牛)特殊な線毛F4、F5、F41 定着因子もプラスミド支配 接合で伝達
- 腸管出血性大腸菌(VTEC)
- ベロ細胞毒による細胞内侵入
- C.tetani(破傷風菌)蛋白毒素
- 神経毒 強直性麻痺: 45MDaプラスミド 溶血毒(すぐに失活)110Mda毒素プラスミド支配
- 炭疽(B.anthracis)の複合蛋白毒素
- Ⅰ因子(EF;EdemaFactor):浮腫因子
- Ⅱ(PF;ProtectFactor):防御抗原
- Ⅲ(LF;LeathalFactor):致死因子110Mda毒素プラスミド支配 莢膜形成は60Mdaプラスミド支配
溶原ファージがコード
- ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、コレラ毒素
- 110Mda毒素プラスミド支配
- EHEC(O157)
- 連鎖球菌の発赤毒
- サルモネラ
- 1.O抗原:多糖体、脂質複合体、耐熱性 2.H抗原:易熱性蛋白質 3.Vi抗原(K抗原、菌力に関係なし)